SCOPE & ADVANCE

男ならヨーグルトを〜日経サイエンス2012年7月号より

善玉菌のおかげで“強精マウス”に?

 

 昨年夏,マサチューセッツ工科大学のチームがヨーグルトの肥満に対する効果を詳しく調べる研究を始めた。加齢に伴う体重増加を防ぐには食べ物のうちヨーグルトが最も有効らしいことがハーバード大学公衆衛生学部による過去の長期研究で示されており,マサチューセッツ工科大学のがん生物学者エルドマン(Susan Erdman)と進化遺伝学者アルム(Eric Alm)が率いるチームはそれをマウスで再現したいと考えた。

 オス40匹とメス40匹を1グループとし,ジャンクフードに似せた高脂肪,低食物繊維,低栄養の餌を与えるグループと,標準的なマウスの餌を与えるグループを設けた。そして各グループの半数のマウスにバニラ風味のヨーグルトを追加して与えた。

 肥満や,がんなど肥満関連合併症の発生率がプロバイオティック食によってどう変わるかを調べるのが目的だったが,「最も興味深い結果は私たちが予想していなかったものだった」とエルドマンはいう。

 まず気づいたのは,ヨーグルトを食べたマウスは驚くほど毛のツヤがよくなったことだ。研究チームは標準的な組織学的方法と美容評価尺度を用いて,これらのマウスは活動中の毛包の密度が他のマウスの10倍もあり,つややかでふさふさの毛を生んでいることを示した。

 

たくましい睾丸

 次に,オスに特有なある事柄に気づいた。睾丸が外に向かって突き出ており,ある種「堂々とした感じ」なのだとエルドマンはいう。実際に測った結果,ヨーグルトを食べたオスの睾丸は通常の餌だけを食べたオスよりも約5%重く,ジャンクフードを食べたオスに比べると15%前後も重かった。

 より重要なことに,この“男らしさ”はだてではなく,ちゃんと役立った。メスと交配させる実験をしたところ,ヨーグルトを食べたオスは精液をより素早く注入し,対照群と比べて多くの子をなした。また,ヨーグルトを食べたメスはより大きな子を産み,順調に乳離れさせた。これらの結果はまだ論文発表されていないが,エルドマンとアルムはヨーグルト中の善玉菌のおかげでマウスがスリムで健康になり,それが間接的に性的なたくましさを強めたのだろうと考えている。(続く)

 

続きは現在発売中の7月号誌面でどうぞ。

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