土星の衛星で噴火を確認〜日経サイエンス2006年4月号より
土星の衛星エンケラドスが米航空宇宙局(NASA)によるカッシーニ計画の主役になろうとしている。
昨年の観測結果から,エンケラドスの南半球から水蒸気とダストの噴出流が数百kmにわたって噴き上がり,土星の輪の1つを造っているらしいと推測されていた。最近,カッシーニのカメラがその噴出流が噴き上がる様子をとらえた。噴出流は赤外線画像で見るとトラの縞のように輝いており,熱が逃げていることを示している。
エンケラドスは地球と土星の衛星イオに続き,太陽系内で火山活動が認められた3番目の天体ということになる。
ただ,その活動を支えるエネルギー源も,なぜ南半球だけで活動が起きているのかも謎のまま。この衛星は直径が500kmと非常に小さいので地中の熱はとっくの昔に失われているはずだし,潮力だけではこの現象を引き起こすのに十分とは考えにくい。
詳細については2008年3月に予定されているカッシーニの次の接近時まで待たなければならないだろう。