SCOPE & ADVANCE

人の顔を見分けるハチ〜日経サイエンス2006年4月号より

 ミツバチを訓練すると人間の顔を識別できるようになる。英ケンブリッジ大学のダイアー(Adrian G. Dyer)らは,ミツバチにある実験を施した。人間の顔を写した白黒写真をミツバチに近づけ,甘いごほうび(砂糖水)と苦い罰(キニーネ水)を与えた。それから,ごほうびも罰も与えないテストを行ったところ,賢いハチは写真から5~8cmのあたりを飛び回った後,きちんと「ごほうびをもらえる顔」の近くにとまった。しかも実験時間の80~90%の間とまったままだった。写真だけでなく線画で描かれた顔でも成績は良好だった。

 

 顔の認識は神経による高度な作業とされていたが,これにより脳にはあまり関係のない作業と証明された。ハチのニューロンは人間の0.01%しかないからだ。Journal of Experimental Biology誌2005年12月15日号に掲載された。

サイト内の関連記事を読む