温暖化疑いなし〜日経サイエンス2006年11月号より
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2001年に発表した報告書は過去1000年間の北半球の気温を解析し,急上昇が1900年ころに始まったことを発見した。この「ホッケースティック」状のグラフと,急激な温暖化が人間活動によるとする結論は,政治家や評論家から非難された。しかし,米国学術研究会議(NRC)の最近の研究はホッケースティックを支持している。
同会議によると,年輪や氷床コアなどの証拠は,20世紀後半の数十年間が過去4世紀のなかで最も暖かかったことを高い確実性をもって示している。6月22日に発表された報告書は,IPCCの報告書と同様,17世紀以前については的確なデータが乏しいため,温度を過去1000年にわたって再現することはあまり確実でないと述べた。ただ,利用可能なデータを見る限り,多くの地域では最近の25年間が10世紀以降のどの25年間よりも暑かったと指摘している。