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胎児期の健康が重要〜日経サイエンス2006年12月号より

 子宮内での健康状態が悪かった胎児は大人になってから慢性疾患になるという「胎児期起源仮説」があり,一時的な飢餓状態を経験した胎児については確かにあてはまる。さらに,コロンビア大学の経済学者アーモンド(Douglas Almond)の分析によると,誕生前の健康不良はその後の社会経済的な成功にも影響しているという。

 

 アーモンドは,1918年のインフルエンザ(スペイン風邪)大流行の際に胎内にいて,母親がインフルエンザにかかった人たちに注目した。1960年代から1980年代までの詳細な国勢調査のデータから,これらの人たちは兄弟姉妹や同年代の人たちと比べ,高卒資格を得た率が15%低く,男性では給料が5~9%低く(障害のため),貧困に陥る率が15%高いことがわかった。

 

 胎児期の健康状態をよくする政策をとれば,将来の収入に大きく影響するだろうとアーモンドは指摘している。Journal of Political Economy誌8月号に掲載。

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