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電気で記憶力アップ〜日経サイエンス2007年3月号より

睡眠中の学生の脳に弱い電流を流すと,単語記憶テストの成績が上がった。

 

 睡眠前に行ったテストでは,46の単語に対し思い出せたのは平均で36.5語だった。これに対し睡眠中に電気刺激を与えた後にテストすると思い出せた単語の数は41.2に増えたが,電気刺激を受けなかったグループでは39.5だった。
 脳を電気刺激すると個々のニューロンを同調させるような作用が働き,成績が上がったのではないかと考えられる。Nature 誌オンライン版2006年11月5日号に掲載。
 この実験をした研究者たちは現在,改善効果がどれくらい長続きするのか,睡眠の深さが記憶にどう影響するのかを調べている。人間は40歳くらいになると深く眠る能力をなぜか失い始めるが,記憶力低下が始まるのもこのころからだ。

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