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ぶるぶるマシンで減量可能,かも〜日経サイエンス2008年3月号より

 運動はエネルギーを消費する。だから肥満対策になるのだろう。だが,揺れるだけで十分かもしれないという実験結果が示され,物議をかもしている。
 ストーニーブルック大学の研究者たちが,微動する台の上にマウスを毎日15分間,15週間のせ続けた。振動は毎秒90回でほとんど実感はできず,揺れの強さは地球の重力加速度の20%ほど。この結果,マウスの胴体部の脂肪は,静止台にのせたマウスに比べて27%少なくなった。また,2型糖尿病に関連する脂肪化合物の値も有意に低下した。
 幹細胞が脂肪細胞に変化する過程が振動によって阻害されたと,研究チームはみている。努力も薬もいらない肥満抑制法につながる可能性があるが,体重管理と減量に運動が大切であることに変わりはない,と研究チームは注意を促してもいる。米国科学アカデミー紀要2007年11月6日号に掲載。

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