SCOPE & ADVANCE

超新星の再燃〜日経サイエンス2008年4月号より

 2006年に見つかった超大型超新星は再び爆発するかもしれない。
 通常の超新星に比べて100倍も明るいこのSN2006gyは,驚いたことに3カ月もその明るさを維持し続けた。この大爆発を説明するため,「対不安定性」というメカニズムが考えられた。恒星内部の高エネルギーガンマ線が電子・陽電子対に変化し,通常なら星の内部圧力維持に一役買っているエネルギーを消費してしまうという仮説だ。これによって,通常よりも早い段階で星が崩壊し,大量のエネルギーと光が放出される。
 最近,SN2006gyの明るさの変化が対不安定性モデルから予想される変動に一致すると報告された。このシナリオでは,太陽の110倍の質量を持っていた星が最初に崩壊を起こしたとき,外層にあった太陽数個分の質量を放出するものの,星の炭素・酸素燃料に点火しないまま,崩壊がいったん停止する。そして約7年後,対不安定性によって2回目の崩壊が生じ,以前よりも小規模だが高速の物質パルスを放出するという。Nature誌2007年11月15日号に掲載。

サイト内の関連記事を読む