穀物高騰の痛み〜日経サイエンス2008年8月号より
数十年間安定していた小麦やトウモロコシ,米など主食作物の国際価格が,2004年から急上昇している。原因は,エネルギーと肥料のコスト上昇,食物需要の急増と経済発展,バイオ燃料向けの需要増など。2004~2007年に世界で生産されたトウモロコシの余剰分の実質的にすべて(主に米国産)が,バイオ燃料の原料となった。今後数年,作物価格は下がりそうにない。一方で,価格高騰は世界の貧しい人々をひどく圧迫しており,地域紛争を悪化させる恐れがある。
食物価格高騰を受けて |
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危機にある国: |
36カ国 |
うちアフリカ諸国: |
21カ国 |
世界の穀物備蓄量 |
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2003年 |
4億8630万トン |
2005年 |
4億6930万トン |
2008年 |
4億510万トン |
主要作物の予想価格は 2004年の水準に比べ |
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2008年 |
2010年 |
トウモロコシ |
79%増 |
76%増 |
米 |
101%増 |
113%増 |
大豆 |
56%増 |
44%増 |
小麦 |
119%増 |
104%増 |