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ブラックホール近くに生まれる星〜日経サイエンス2009年1月号より

 天の川銀河の中央にある超大質量ブラックホールの周囲には100個ほどの恒星が存在するが,これらの星がどのように生まれたのかが解明できたようだ。
 恒星は水素分子の雲が自らの重力で集まり,合体してできる。しかし,超大質量ブラックホールの周囲では,ブラックホールの強い重力によって分子雲がバラバラに引きちぎられ,星になれなかったはずだ……。
 今回,質量が太陽の1万倍に及ぶ水素ガス雲がブラックホール近くに浮かんだとして,それがどんな運命をたどるかがシミュレートされた。ガス雲の大部分は飛び散るが,衝撃波や乱流によって内部の10%から角運動量が引き出される。飛び散った物質はブラックホールの周囲を回る軌道に乗り,星が生まれるチャンスが生じると考えられる。Science誌2008年8月22日号に掲載。