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うろこにヒント〜日経サイエンス2009年1月号より

 生きた化石が未来の軍用防護服を生むかもしれない。マサチューセッツ工科大学の技術者たちは米陸軍の資金を得て,ポリプテルス・セネガルス(Polypterus senegalus)という原始的な魚を調べた。この魚は“よろい”をまとったような外観から俗に「恐竜ウナギ」と呼ばれている。捕食者から噛みつかれた状況を模した実験で,骨につながる1枚1枚のうろこが3つの層をなし,これらが互いに補完し合って貫通を食い止めていることを突き止めた。外層が最も硬く,鋭い歯に耐える力に優れている。中層は少し軟らかく,変形することでエネルギーを散らす。最も内側の層はベニヤ板のような構造で,亀裂が広がるのを防ぐ。
 これらの層がこの順番で重なっていることが,よろいの強度に重要だ。例えば最外層と中間層を入れ替えたシミュレーションでは,うろこがバラバラになる恐れが高まった。
 魚の進化が明らかになるほか,よろいを設計する効果的な方法につながるかもしれない。Nature Materials誌オンライン版2008年7月27日号に報告。

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