News Scan

コイン大の顕微鏡〜日経サイエンス2009年1月号より

 10セント硬貨大のレンズなし顕微鏡で,血液中のがん細胞や寄生虫を素早く,しかも安価に探せるようになるかもしれない。カリフォルニア工科大学のヤン(Changhuei Yang)らが作ったこの小型装置では,細い流路に液体試料を流し,上から光を当てる。流路の下には直径1μmの“窓”が10μm間隔でたくさん開いていて,試料を通過した光がこの窓を通って下部の半導体チップに至る。そこにはデジタルカメラの受光チップのように,センサー画素が並んでいる。
 物体が上部を流れると受光素子に入射する光の一部が遮られるので,この光の強度変化に基づいて物体の画像を作り出す。0.8~0.9μmの小さなものまではっきり識別可能(がん細胞の大きさは一般に15~30μm)。
 ヤンは,死んだ細胞などのゴミが眼球内に浮かんで眼前に虫が飛んでいるように見える「飛蚊症」からヒントを得たという。チップベースのこの顕微鏡,「レンズが壊れる心配がない。そもそもレンズなしだから」。さらによいのは,1個10ドル程度ですむ点だ。

サイト内の関連記事を読む