SCOPE & ADVANCE

新たなアルツハイマー病遺伝子〜日経サイエンス2009年1月号

 最も一般的なタイプのアルツハイマー病の発症リスクを高める遺伝子変異が新たに特定された。アルツハイマー病に関連する遺伝子としては2つ目。
 問題の変異はCALHM1という遺伝子に発生する。この遺伝子は神経細胞内のカルシウム濃度を調節しており,変異に伴って脳内でベータ・アミロイド斑(アルツハイマー病の特徴である粘着性のタンパク質塊)の蓄積が増えることが観察された。
 米国では65~74歳の20人に1人がアルツハイマー病を発症するが,変異CALHM1遺伝子を1つ持っている人の場合,そのリスクは14人に1人に高まる(変異コピーが2つだと10人に1人)。発症時期も早まる。
 Cell誌2008年6月27日号に掲載された論文の主執筆者でニューヨーク州にあるファインスタイン医学研究所のマランボー(Philippe Marambaud)は,CALHM1遺伝子は15年前に発見されたアルツハイマー病関連遺伝子の第1号であるAPOEとともに,この病気の検査で重要になるだろうと述べている。

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