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信じる者に見えるもの〜日経サイエンス2009年3月号より

 宗教は世界観の違いをもたらすが,文字通り世界の「見え方」に影響を与えているかもしれない。
 オランダの科学者たちがカルヴァン派と無神論者のオランダ人を比較し,カルヴァン派の「社会の各セクターにはそれぞれに責任と主権が存在する」という領域主権の考え方による影響を探った。同研究チームは,カルヴァン派はこの考え方の影響で,無神論者に比べると全体像を把握しにくいのではないかという仮説を立てた。
 実験では被験者たちに長方形や正方形の画像を見せた。これらの図形はそれぞれ,小さな長方形がたくさん集まって大きな長方形ができ,小さな正方形が集まって大きな正方形になっている。あるテストでは小さな部分の形をすぐに判別するよう求め,別のテストでは全体の大きな形が何かを答えてもらった。
 この結果,カルヴァン派の人々は全体像を正確に把握する成績が無神論者よりもわずかだが有意に低かった。同研究チームは他の宗教でも同様な影響がないか調べる計画だ。詳細はPloS ONE誌11月12日号に。

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