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的を射た注射針〜日経サイエンス2009年8月号

 注射針が必要以上に深く刺さって神経を傷つけるなどの事故が,毎年何十万件も起きている。そんなトラブルのない新しい注射針をハーバード大学医学部などのチームが開発した。適切なところで自動的に止まる。
 中空の針のなかに先端が丸くて曲がりやすいワイヤが入っており,注射器のピストンを最初に押したときには,力がこのワイヤにだけ伝わる。そもそもワイヤが曲がらずにまっすぐな状態だと特殊な歯止め機構の働きで針は先に進まないが,ワイヤが皮膚などの組織に当たると抵抗を受けて曲がり,歯止めが外れて針全体が先に進むようになる。
 針先が血管など目的の空間部に到達するとワイヤに抵抗力がかからなくなってまっすぐに伸び,針がそれ以上先に進まなくなると同時に,先端のカバーが取れて薬剤が出る仕組みだ。この注射針,3~5年先に実用化するかもしれない。米国科学アカデミー紀要4月7日号に掲載。

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