SCOPE & ADVANCE

曲がるレーザー光線〜日経サイエンス2009年8月号

 特定の成分が非対称なレーザービームが空気中を進むとき,直進せずに,わずかに曲がる場合があることが2年前に示された。「エアリービーム」と呼ばれるものだ。最近,パルス状の高強度エアリービームが,その航跡として空気を電離し,プラズマのカーブを残すことが実験で示された。
 それぞれのパルスは幅1cmで,時間にすると35フェムト秒。これをガラス板に通すと,一端に強いピークを持ち,その横にいくつかの弱いピークが並んだ三角形のパルスになる。最も明るい部分と,より暗い部分は反対の方向に曲がっていく(ただし,パルス全体の運動量は保存される)。
 この明るい部分は非常に高強度なので空気をイオン化し,プラズマの曲がった筋を航跡として残す。ビームの直径を超えて曲がることはないが,それでもレーザーパルスの構造を調べるには十分だ。Science誌4月10日号に掲載された。

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