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ゾウリムシが光通信〜日経サイエンス2009年8月号

 単細胞生物が“光通信”によって会話している可能性がある。バーゼルにあるスイス熱帯研究所のフェルス(Daniel Fels)は微生物のゾウリムシを複数の透明なチューブに入れ,完全な暗闇のなかで育てた。チューブが壁になってゾウリムシは化学物質による情報交換はできないが,それでも隣りのチューブにいる仲間の採食行動と増殖率に影響を及ぼすことがわかった。電磁的な信号が関与している可能性を示している。
 少なくとも2種類の周波数を使って通信しており,うち1つは紫外線領域の信号らしい。例えば少数のゾウリムシが多数のゾウリムシと紫外線を通さないガラスで隔てられている場合,紫外線を透過する石英ガラスで分離されている場合よりも増殖率がはるかに高くなった。
 この光通信の背景にある細胞組織はまだ特定されていないが,これらの信号伝達を研究していけば新たな非侵襲の医療技術につながるかもしれないと,フェルスはPLoS ONE誌4月1日号で述べている。

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