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利き手が変わる〜日経サイエンス2009年8月号

 両手を移植された患者は,利き手が以前とは変わることがある。
 仕事中の事故で両手を失った男性2人が事故の3~4年後に手の移植手術を受けた。手が切断されると一般に,脳はなくなった手のコントロールに関連する領域を別の筋肉の制御に振り向けるようになるのだが,これらの患者は切断から長い時間がたっていたにもかかわらず脳と新しい手がつながり,細かな作業もできるようになった(一方の患者は電線をつなぎ直す修理作業をしてみせた)。
 2人とも以前は右利きだったが,左手のほうが右手よりも1年以上早く脳につながり,そのまま左利きになった。米国科学アカデミー紀要オンライン版4月6日号にこの事例を報告したフランス国立認知神経科学研究センター(リヨン)の研究チームによると,利き手が変わった理由ははっきりしない。以前に右手優位だったために右手に対応する脳領域が確立していて,新たな右手に再結合する柔軟性がやや乏しくなっていたか,手術が左右でわずかに違っていた,といった可能性が考えられる。 

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