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電気で動く単分子モーター〜日経サイエンス2012年3月号より

世界最小記録が大きく塗り替えられた

 

 世界最小のモーターは長らく直径200nmだった。それは実に小さなもので,赤血球の約1/40だ。しかし去る9月,タフツ大学のサイクス(Charles Sykes)らのチームはこの記録を破った。新しいモーターは単一の分子で,直径わずか1nm。そして他の微小モーターとは異なり,化学反応や光ではなく,電気によって動く。「多くの設計が提案されてきたが,実際に動くのはこれが本当に初めてだ」とデルフト工科大学(オランダ)のセルデントゥイス(Johannes Seldenthuis)は評価する。

 サイクスらが行った実験はこうだ。モーターは1個のブチルメチルスルフィド分子(BuSMe:1個のイオウ原子の片側に炭素原子4個,反対側に炭素原子1子が結合している)で,これを銅の表面に置いた。次に走査型電子顕微鏡を銅の表面のごく近くまで下げた。顕微鏡の先端から電子が流れ出てBuSMe分子内部の電子を励起し,分子を右へ左へと交互に回転させた。だがこの分子は形が非対称なので,一方向の回転が他方よりもわずかに多くなる。この結果,励起分子は少しずつ表面を移動した。(続く)

 

続きは日経サイエンス2012年3月号で。

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