きょうの日経サイエンス

2011年3月9日

大科学実験:レモンカーにまつわる諸々

 

 

大科学実験ファンの皆さま,こんばんは。<(_ _)>

今晩の再放送「手作り電池カー」ことレモンカーは,この番組には珍しい化学の実験です。

実際には電池で動くモーターの話などが出てくるはずですが,番組ではほとんど触れていません。
それもそのはず。
モーターを含め,ぎりぎりまで軽量化した車体は番組スタッフが作ったのではなく,借り物です。

この車体を貸してくださったのはソーラーカーでのレース優勝経験もある大阪産業大学の藤田先生。すでに卒業した学生さんが作ったものなのだそうです(特製の“レモンボディ”は,番組で用意したものです)。

この回で大変だったのは電極づくり。レモンカーに搭載したのは1400個ですが,予備実験なども含め,作った電極は1500個!
予備実験を手がけている羽岡伸三郎さんや進行管理をしている鈴木文野さんは打ち合わせ中などはもちろんのこと,ソーラーカーの藤田先生を訪ねに大阪に行く新幹線でも座るやいなや電極づくりを始めたそうです。新幹線で電極づくり;
羽岡さんも鈴木さんも,人柄の良さが顔だけでなく,身体中からにじみ出ているような人たちだから,鉄道警察の職務質問を受けることなく,車中で作業を続けられたのだと思います。これがほかのメンバーだったら,どうなっていただろう・・・? 顔を思い浮かべるに職質されそうな人,いるなぁ。

 

苦労した甲斐あって,無事に走ったレモンカー。予想外の距離を走破しました。
実はこの日,NHKが収録のために借りたのはコースの半分だけ(もちろん,予算の都合)。
残り半分では,某世界的自動車メーカーがたまたまハイブリッドカーの試験走行をしていたそうです。これまたたまたま電池だけでの走行実験になり,走った距離がほぼレモンカーと同じだったとか。
フル充電だったどうかもわからないし,そもそも車体の重さが全然違うのですが,「な?んだ,オレたちと大して変わりないじゃん」とは寺嶋章之ディレクターのセリフ。

 

このレモンカー,共同制作者であるアルジャジーラ子どもチャンネル(JCC)のスタッフは一番のお気に入りなのだそうです。この2月にカタールでも放送が始まったはずですが,その第1回目はこのレモンカー。JCCのスタッフは,レーサーがかぶっているレモン型ヘルメットをわざわざカタールに持って帰ったそうです。中東で政変が起きる前でしたが,あのヘルメットは荷物検査を無事にパスできたのだろうか??

 

そして,この番組をJCCのスタッフがカタールの化学の専門家に見せたところ,「なぜ,(レモンジュースよりも入手の簡単な)お酢で実験しないのか?」としきりに聞いたそうです。

 

このエピソードをチーフプロデューサーの森美樹さんは(どの国もエライ人の言うことは同じね)とでも言わんばかりに苦笑いしながら話してくれましたが,「お酢や塩水ではつまらないからレモン」というスタッフの話を「そうだよね」と聞き流した私は,結構,大科学実験ボケになっていると自覚しました。

 

NHKエデュケーショナルの番組公式サイトはこちら