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冬生まれと体内時計~日経サイエンス2011年4月号より

日照不足で狂いが生じるのかも               


 近年の研究結果によると,冬に生まれた赤ん坊は夏生まれよりも統合失調症や鬱病,季節性感情障害(SAD)などになりやすいことが示唆されている。なぜか? マウスを使った最近の研究が手がかりになるかもしれない。生まれたばかりの子ネズミが浴びた日光の量が,重要な体内時計遺伝子の挙動を生涯にわたって規定しているという。
 バンダービルト大学とアラバマ大学バーミングハム校の研究チームは,生まれたてのマウスを2群に分け,一方を日光に当てる時間が1日8時間の冬のような状況で,他方を1日16時間の夏のような状況で育てた。その後の4週間は,以前と同様に日光を当てるか,当て方を逆転して調べた。
 “冬生まれ”の子マウスは“夏生まれ”と比較して体内時計遺伝子の発現時間が短く,これは日光に当てるパターンを変えた後でも同じだった。また,季節性感情障害の患者のように,夜間でも活動的だった。体内時計が1日の日照とうまく一致していないことをうかがわせる。
 しかし,育児室に日焼け用紫外線ランプを取り付けるのはまだ早い。こうした日照の季節シグナルが人間にどんな影響を及ぼすか,研究チームは引き続き追跡中だ。

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