2010年9月17日
ノーベル賞前哨戦?
書くのがちょっと遅くなってしまいましたが,今年の慶應医学賞はフランスのホフマン(Jules A. Hoffmann)博士と大阪大学の審良静男(あきら・しずお)博士です!
おめでとうございます(*^_^*)
お二人とも研究テーマは「自然免疫」。ホフマン博士はショウジョウバエで自然免疫を担うToll受容体を,審良先生は哺乳類でTollに似たToll様受容体を見つけ,自然免疫のメカニズムを明らかにしました。
慶應医学賞で受賞者が2人なのは“いつものこと”なのですが,過去の例を見ると,研究テーマがまったく違うことが多いです。ところが,今回はお二人とも自然免疫。従来の“免疫観”を大きく変えた重要テーマですし,ワクチンの効果を大きく高める増強剤(アジュバント)の開発や,炎症を伴う慢性疾患の理解にもつながっていますから,当然の選定といえましょう。
さて,この慶應医学賞,今年で15回目と比較的新しい賞なのですが,この賞を受賞したあとにノーベル賞をとった人がすでに5人もいます。ノーベル賞の前哨戦としては米国のラスカー賞が有名ですが,慶應医学賞も大注目です!(詫摩)
自然免疫って何だっけ? という方は下記の記事がおすすめ
「もうひとつの防御システム 自然免疫の底力」日経サイエンス2005年4月号