きょうの日経サイエンス

2010年9月15日

またまた時速100km

 

今回は巨大な振り子で時速100kmを目指すという,シンプルにして大がかり,「何でそんなことをわざわざするの?」と思わず突っ込みたくなる,まさに「大科学実験」の王道を行くお話でした。何で100kmなの?と突っ込みたくなりますが,過去の番組(高速で止まるボール?)を見ると,100kmが好きなんでしょうねぇ。

 

さて,この振り子,50m以上の天井の高さがあり,しかも重機が使える「屋内」というのが最大のポイント。屋内でないと,風の影響を受けるからです。会場がドーム球場だと聞いて,「なるほど?」と思いました。

 

この大実験,最初はブランコにするつもりだったそうです。
往年の名作アニメ『アルプスの少女ハイジ』のオープニングのあの場面ですね。あのオープニングは,科学ネタとしてもしばしば話題になっていますから(画面で測ると周期が●秒だから,ロープの長さは・・・,時速は・・・),実演したくなる気持ちはよくわかります。でも大実験では,時速100kmだし,高さ50mだし。あまりにも危険なので,最初は冗談で言っているのかと思っていました。でも,どうも本気だったよう。

 

乗り手を力士にして,「時速100kmでお肉がブルブル震えるところを撮りたかった」(制作チームの某←あえて名は秘す)。

 

これにはドーム球場や重機の会社から反対されたそうです。そりゃあ,そうですよ?。そんな危ないこと。

 

でも,この無謀チームはなかなか諦めなかったそうです。最後にやっぱり止めようと判断したのは,以下の説明を聞いてから。
スタート直後は振り子のヒモが緩んだ状態なので,振り子の軌道ではなく,真下に落ちます。ヒモがピンと張った瞬間の衝撃で骨折するかもしれない・・・。

 

こう説明されて,ようやくあきらめたそうです。

 

それにしても,あれだけ大がかりになると空気抵抗がすごく効いてくるのに,力士って・・・表面積,どうよ?

 

NHKエデュケーショナルの「大科学実験」のサイトはこちら