きょうの日経サイエンス

2010年8月8日

12の出来事その9 自我を備えた機械

発売中の日経サイエンス9月号科学大予測 世界が変わる12の出来事」からサワリをご紹介します。1項目ずつ不定期にアップしますので,またのぞきに来て下さい!

 

出来事9 自我を備えた機械
2050年までの実現性……起こりそう

 

 自己複製でき,自ら学習でき,状況の変化に適応できる高度に知的なコンピューターとロボットが開発されたら,世界は大きく変わる。意識の生物学的基礎については神経科学者による議論が続いているが,「複雑さ」が重要な要素だとみられるため,適応可能な先進的なハードとソフトを備えたコンピューターはいつの日か自我を持つようになる可能性があると思われる。『ターミネーター』などの映画によれば,私たちは機械がそうした認知レベルを獲得したことを,機械が人間に戦争を仕掛けてくることによって知る。そして,おそらくその通りになるだろうと,専門家は考えている。
 自我を持つ機械が出現すると,次は自己改善する機械が続き,世代を経るごとに機械は自己改善していく。そして,機械にとっての1世代はたったの数時間かもしれない。言い換えると,自我は自己複製につながり,その自己複製によって,よりよい機械が人間の関与なしに生まれてくる。「これは私たちが生きているうちに起こりうる。そして,スーパー知能を備えた何者かとこの地球を共有することになったら,人間に勝ち目はない」というのは,シミュレーションゲーム「シムズ」シリーズの作者でカリフォルニア州にロボット工学スタジオ「ステューピッド・ファン・クラブ」を設立したライト(Will Wright)だ。

 

*次の出来事10は「極域のメルトダウン」。あなたのオッズは? お楽しみに!