きょうの日経サイエンス

2010年8月4日

12の出来事その7 生命の創出

日経サイエンス9月号科学大予測 世界が変わる12の出来事」からサワリをご紹介します。1項目ずつ不定期にアップしますので,またこのページをのぞきに来て下さい!

 

出来事7 生命の創出
2050年までの実現性……ほぼ確実

 

 近年に研究が急進展している合成生物学は,いわば遺伝子工学の強力版で,1個の遺伝子を取り替えるのではなく,多数の遺伝子あるいはゲノム全体を改変するもの。改変生物によって,化学物質や燃料,医薬品を大量生産することができる。
 一方,本当に生命を再形成しようという試みもある。クレイグ・ベンター研究所のラルティーグ(Carole Lartigue)とスミス(Hamilton Smith)らは細菌のゲノムをゼロから作って,これをある微生物に導入することで別種の微生物に変えた。また,合成生物学用の酵素を作るまったく新しい細胞小器官「シンソソーム」を作り出した例もある。ゼロからの生命創出も遠くないかもしれない。

 

*次の出来事8は「室温超電導体」です。あなたのオッズは? お楽しみに!