2010年7月31日
12の出来事その5 小惑星衝突
日経サイエンス9月号「科学大予測 世界が変わる12の出来事」からサワリをご紹介します。1項目ずつ不定期にアップしますので,またこのページをのぞきに来て下さい!
出来事その5 小惑星衝突
2050年までの実現性……なさそう
地球近傍小天体(NEO)は地球から1億9500万km以内にやって来る小惑星や彗星のこと。NASAは直径1km以上の近傍天体 940個(推定総数の約85%)を特定ずみで,うち地球と衝突するものは1つもない(恐竜の絶滅を招いた小惑星の直径は約10km)。
しかし,もっと小さな近傍天体が問題だ。これら(うち約10万個は直径140m以上)はハルマゲドンを引き起こすには小さすぎるが,小振りのものでも衝突するとTNT火薬300メガトンのエネルギーを放つ。そうした衝突の確率は直径140mの天体で約3万年に1回と,例えば直径1kmの天体衝突(70万年に1回)よりもずっと大きい。
最も可能性の高いのは直径30?50mの “シティーキラー級” が大気中で爆発して火球となるケース。この種の「空中爆発」として最も有名なのは1908年にシベリアのツングースカ上空で発生した火球で,ロンドンと同サイズの領域がぺちゃんこになった。空中爆発のほとんどは海の上空で起こるので,生命を直撃する危険は低いものの,津波を引き起こす恐れがある。直径4mの隕石の空中爆発は毎年1回起きているという。
*次の出来事6は「致命的パンデミック」です。あなたのオッズは? お楽しみに!