2010年7月25日
12の出来事その2 余剰次元の発見
発売中の日経サイエンス9月号「科学大予測 世界が変わる12の出来事」からサワリをご紹介します。1項目ずつ不定期にアップしますので,またのぞきに来て下さい!
出来事その2 余剰次元の発見
2050年までの実現性……五分五分
余剰次元は実在する可能性がある。重力が他の力に比べて相対的に弱いことや,いろいろな粒子と力が深いところで親密に関係していることなど,この世のさまざまな不思議は,私たちの宇宙がより高次元の実体の影にすぎないことを示唆している。だとすれば,スイスのジュネーブ近郊にある大型ハドロン衝突型加速器LHCで粒子を正面衝突させると,粒子を3次元空間に引き止めている枷(かせ)を打ち壊すエネルギーを生み出して,めくるめく余剰次元領域に到達できるかもしれない。
余剰次元の発見は物理学だけでなく関連の学問も変えるに違いない。宇宙の加速膨張などの謎を解き,さらには次元という概念をまるごと考え直すきっかけになる可能性がある。空間と時間が,空間も時間もない超越した領域での物理的原理から生まれてくるという考え方が強まっている。
*次の出来事3は「地球外知的生命体の検出」。あなたのオッズは? お楽しみに!