きょうの日経サイエンス

2010年6月30日

顔はいらない?

 

 

今晩の再放送は「高速で止まるボール!?」

 

時速100kmで走る車から後ろに向かって同じく100kmでボールを投げるとどう見えるか? 相対速度の実験です。

 

 

NHKが誇るウルトラハイスピードカメラがまさに本領を発揮した映像だったと言えるでしょう。圧縮空気を使ったピッチングマシンから発射されたボールが,まるで空中にそっと置かれるように見えます。これがぽとんと落ちる様子は何度見ても感動的です(NHKエデュケーショナル「大科学実験」のサイトで動画を見られます)。

 

さて,このオレンジのボール,楽しげに笑いながら飛んで(止まって?)います。この顔,直前になって描かれたそうです。

 

この番組の収録では,だいたいの流れとそのときの映像のイメージをマンガチックに描いた絵コンテが用意されます。絵コンテにはこの顔はなかったそうです。

 

「私は顔はいらないと思ったんだけどね」というのはチーフプロデューサーの森美樹さん。

 

書いたのは総合演出の寺嶋章之さんです。[E:good]

 

「なんか,私に隠れてコソコソやっているなぁ,と思ったら絵を描いているんですよ」とは森さんの弁。
「思いついたら,やらずにはいられなくなるんですよ」とその場にいない寺嶋さんの肩をもつのは,ディレクターの黒木大紀さん。
黒木さんはこの回の担当ではないのですが,寺嶋さんに誘われて大科学実験に参加している方です。「思いついたことは,森さんに却下されるとわかっていても,とりあえず言い出さずにはいられなし,言わないとストレスになっちゃう」
「そのチャレンジング精神は認めるけれど・・・」(森さん)

 

でも,寺嶋さんは言うだけではなく,撮影の場で実際に描いたようです・・・
「まぁ,顔くらいならいいかな,と思っているけれどね」(森さん)

 

詫摩は顔のある方が,止まっていることが絵的にわかりやすいし,しゃれっ気があってよいと思うのですが,この点は森さんと意見が合いません。

 

 

実は,この「顔」問題,別の回で再燃します。7月放送のある回で,また「顔」が出てきます。
そうなんです! 再放送が4回続き,これまでの「9回で終わりなのか?」と心配する声もありましたが,来週(7/7)からまた新しい回が始まります。[E:happy01]
ウラ話のネタ満載の回が続きます。お楽しみに!

NHKエデュケーショナル「大科学実験」はこちらから