きょうの日経サイエンス

2010年5月31日

ミツバチたちの状況は?

春先から天候不順が続いておりましたが,ようやく暖かくなり,虫たちも忙しく働き始めています。昨年は果実や野菜を受粉させるミツバチが足りなくなり,日本でも大問題となりました。農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)と名古屋大学が行った緊急プロジェクト研究の最終報告書が公開されています(下記から入手できます)。ウイルスにストレス,農薬と,ミツバチたちの置かれている状況は深刻です。報告書を読むと,病原体の蔓延ぶりとその種類の多さにびっくりします。ミツバチ不足は世界的にも深刻になっており,昨年の5月25日に発売した7月号では「蜂群崩壊症候群 消えたミツバチの謎」で米国の状況をご紹介しました。この米国のリポートで注目されていた「イスラエル急性麻痺ウイルス(IAPV)」も農研機構と名大の調査で見つかってます。

この調査の担当研究者である農研機構の木村澄・主任研究員は,昨年の日経サイエンス7月号の記事に「(ミツバチの減少は)飼育方法も含め,ミツバチを取り巻く環境に変化が起きている兆候」との言葉を寄せていますが,根本的な対策を取らないと,このミツバチ問題は解決できないかもしれません。(詫摩)

農業・食品産業技術総合研究機構のプレスリリースのページ
http://www.nilgs.affrc.go.jp/press/2010/0413/honeybee_index.html

日経サイエンス2009年7月号「蜂群崩壊症候群 消えたミツバチの謎」