きょうの日経サイエンス

2010年5月24日

さよならマーチン・ガードナー先生

去る22日,レクリエーション数学の達人として知られるマーチン・ガードナー氏が95年の生涯を閉じました。 先日のブログに「誕生日が同じで嬉しい」なんて書いたばかりなので,個人的にもかなりショックです。
 1956年にスタートしたサイエンティフィック・アメリカン誌の人気コラム「数学ゲーム(Mathematical Game)」は四半世紀にわたって連載され,日本でも多くの読者を魅了しました(1)。SF作家として著名なサンノゼ州立大学の数学者ルーディ・ラッカーは「私と同世代の数学者はみんなマーチン・ガードナーを読んで育ったと思う」と語っています(2)。
 数学パズルの大家であり,ルイス・キャロルの専門家としても知られるガードナーは,パズルや手品,哲学,小説など70冊以上の著書を残しました。さまざまな分野で執筆を続ける一方,インチキ科学への追求の手も緩めず,自らの人生を引き合いに出しながら,ユーモアたっぷりにエセ科学を論じてきました。故スティーブン・ジェイ・グールドは,ニューヨークタイムズ紙の書評欄で,ガードナーを評して「私たちを神秘主義や反知性主義から遠ざけ,合理性と良き科学へと導く灯台」と語ったそうです(3)。
 世界中のファンがマーチン・ガードナーの死を悼み,これからも彼の著作を読み続けていくことと思います。ご冥福をお祈りいたします。(菊池)

 

(1)「数学ゲーム」は「サイエンス」(現在の「日経サイエンス」)1971年10月号(創刊号)から1981年12月号に掲載。

(2)サイエンティフィック・アメリカン誌のウェブサイトより(翻訳は「世界の科学者たち『元祖数学ゲーム人 マーチン・ガードナー』」日経サイエンス1996年2月号に掲載)

(3)ニューヨークタイムズ紙ウェブ版5月24日付 マーチン・ガードナーへの追悼記事