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すばる望遠鏡ファーストライト
国立天文台がハワイ島のマウナケア山頂で建設を進めていたすばる望遠鏡が完成,望遠鏡に星の光を入れる「ファーストライト」を迎える。主鏡の有効口径は一枚鏡では世界最大の8.2m。可視光のほか天体が発する赤外線をも精密観測でき … 続きを読む
生命を演出する水分子
コンピューターでモデル化すると,タンパク質などの生物分子の構造とそのゆらぎに対して水がどのように影響を及ぼすかが明らかになり,生物分子の機能の解明につながる。 著者の1人,レビットは,1986年に当時最新のスーパーコン … 続きを読む
南部陽一郎が語る 日本物理学の青春時代
1920年代に入って,物理学の世界に量子物理学という全く新しい考え方が登場した。それまで,欧米の後を追っていた日本の学者たちも,量子物理学に関しては,ほぼ同じスタートラインに立つことができたといえる。後のノーベル賞受賞 … 続きを読む

日経サイエンス 1999年3月号
インフルエンザの大流行を防ぐ新薬 W. G. レーバー/N. B. ビショフバーガー/R. G. ウェブスター ワクチンはありますが,インフルエンザの治療薬は日本にはありませんでした。あるのは,咳止めや解熱剤など対症療 … 続きを読む
アマミノクロウサギの知られざる生活
12年に一度のウサギが脚光を浴びる時期が来た。飼いウサギの日本白色種の姿が念頭にあるのか,日本人にとってのウサギは,「耳が長くて,白くて,目が赤い」が定番のようだ。そのイメージとはだいぶ離れたウサギが奄美大島と徳之島に … 続きを読む
見えてきたグルーボール
原子核を作る陽子や中性子はクォークと呼ばれる粒子が3つ集まってできている。また,中間子と呼ばれる粒子は2つのクォークからできている。これらクォークを結びつけて1つの粒子を形作っているのは,グルーオンと呼ばれる粒子だ。粒 … 続きを読む
海底から湧き出る石油
メキシコ湾は多くの油田やガス田があることで知られている。半世紀前にルイジアナ沖に最初の石油プラットホームが建設されて以来,次々と石油関連施設ができ,湾岸の人々は石油とともに暮らし,働いてきた。 この地域は地質学的に見て … 続きを読む
進化論で解く 人はなぜ病気になるのか
身体は調和を欠いた矛盾のかたまりだ。この上なく精妙な心臓弁があるかと思えば,大人になってから生えてくる親知らずがある。DNAの鎖が60兆個の細胞の成長を支配して,ヒトは成人になる。しかし,成人した後は,ヒトが徐々に衰え … 続きを読む

日経サイエンス 1999年2月号
謎の隕石を追う 砂漠が燃えた日 J. C. ウィン/E. M. シューメーカー 氷原に消えた大火球 W. W. ギブズ 頭上を巨大な火球が音もなく通過したかと思うと,次の瞬間,ものすごい … 続きを読む
集中できない子供たち――注意欠陥多動性障害
物事に注意を払えない,不適切な状況で走り回る,絶え間なくしゃべり続け,他人の邪魔をする…。注意欠陥多動性障害(ADHD)の子供たちは,周囲の環境に応じて自分自身をコントロールできないため,日常生活のなかで多くの困難に直 … 続きを読む
微生物がつくるアート
微生物のコロニー(集落)は,生命体という特別な構成「分子」によって,さらに複雑な形を作っていく。物理学者は,微生物の形づくるパターンが,生命のないものの形にしばしば似ているのを見つけて驚いた。 たとえば,枯草菌(こそ … 続きを読む