SCOPE & ADVANCE

ゾウから学ぶ腫瘍学〜日経サイエンス2023年1月号より

がん抑制遺伝子の働き方を知る がんは歳月とともに細胞内に蓄積された遺伝子変異によって生じるのに,ゾウやクジラなど細胞の数が多くてしかも長生きの動物は滅多にがんにならない。なぜだ? これは「ピートのパラドックス」と呼ばれて … 続きを読む

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お役立ちスズメバチ〜日経サイエンス2023年1月号より

植物から呼び出されて種子散布を助けている スズメバチはジンコウ(沈香)の木が毛虫に食われたときに遭難信号として発する化学物質を感知して飛んで行き,その木を攻撃している毛虫にありつこうとする。だがハチが到着したとき,そこに … 続きを読む

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ヤドリギ接着剤〜日経サイエンス2023年1月号より

この寄生植物は優秀な生物接着剤になる ヤドリギと聞くと,クリスマスシーズンのキスを連想する人が多い。だが,この植物はそのずっと昔から長い間,驚異的な粘着力で広く知られていた。古代のギリシャ人やローマ人は,ねばねばしたヤド … 続きを読む

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リュウグウに太古の水〜日経サイエンス2023年1月号より

地球の海の起源に迫る手がかりが結晶中の穴から見つかった 探査機「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星リュウグウの試料から液体の水が見つかった。結晶中の大きさ数µmの微小な穴には,リュウグウのもとになった母天体にあった太古の水が … 続きを読む

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シダ類の進化の謎〜日経サイエンス2022年12月号より

大きなゲノムを持っている理由は? シダ類は奇妙な植物だ。森に生えている他の植物と同様に緑色の葉が茂っているが,繁殖の仕方はむしろキノコのようで,胞子を煙のように放出する。大半の種子植物と違って,多くの種は受精のためのパー … 続きを読む

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記憶の脳波〜日経サイエンス2022年12月号より

睡眠時の脳波が個別の学習と結びつけられた 睡眠中の脳に生じる「睡眠紡錘波」という特徴的な脳波は長い間,最近に形成された記憶全般の強化と関連づけられてきた。新たな研究は,この電気活動の高まりを覚醒時の個別の学習行動と結びつ … 続きを読む

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繊毛で働く微小流体チップ〜日経サイエンス2022年12月号より

携帯型の医療診断装置につながりそう 細胞にある「繊毛」という微細な毛が1本わずかに動いただけでは,たいしたことはできない。だが人体ではこの微細構造が力を合わせ,生物学的驚異を成し遂げている。吸い込まれた病原体を気道から追 … 続きを読む

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寄生虫の知られざる生態〜日経サイエンス2022年12月号より

動物の糞が含むDNA断片を調べると… ヤギとカバがサバンナの水飲み場で分け合うのは飲み水だけではないかもしれない。水や食物を介して広がる腸内寄生虫もシェアされる可能性がある。これらの寄生虫は発育不全から飢餓,死亡まで様々 … 続きを読む

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網膜検査でアルツハイマー病診断〜日経サイエンス2022年12月号より

脳と同様の変化が網膜に生じることが判明,早期発見につながりそうだ 眼球の奥にある網膜は,発生途上の胎児の脳から一部が枝分かれしてできる。つまり数層のニューロンが重なってできている網膜は中枢神経系の一部だ。近年,脳に生じる … 続きを読む

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渇いた空気〜日経サイエンス2022年11月号より

米国の特に西部で「蒸発需要」が増大し,干ばつと山火事を悪化させている 干ばつになるのは単に雨や雪が少ないためだと考えられることが多い。だが,大気が地面から水分を引き出す能力を示す「蒸発需要」も大きな要因だ。米国の大部分で … 続きを読む

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カキを導くエビの音〜日経サイエンス2022年11月号より

テッポウエビが発する音によってカキの幼生を新たな岩礁に誘導できる カキ礁はかつて多くの海底を一面に覆って海水を濾過し,海岸線を安定に保ち,膨大な生物のすみかとなっていた。だが過去200年間に,底引き網漁船が世界のカキ礁の … 続きを読む

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死後の網膜の電気活動を復活〜日経サイエンス2022年11月号より

機能を調べる優れた実験モデルになる 脳死ほど撤回のきかない生物学的事象はないといえる。人が死ぬとニューロンもともに死ぬと長年考えられてきた。だが,ニューロンがぎっしり詰まった組織である網膜に関する新たな研究は,この定説に … 続きを読む

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タマムシの目くらまし防御〜日経サイエンス2022年11月号より

玉虫色の変化は身を隠すのと脅しの両方に働いている 虫にとって,キラキラ玉虫色に輝く殻を備えることは,腹をすかせた鳥から逃れるための最善の進化戦略ではないように思える。だが,見る角度によって色が変わるこの玉虫色が木漏れ日の … 続きを読む

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ニキビの原因〜日経サイエンス2022年10月号より

アクネ菌の影響で線維芽細胞が脂肪細胞に転換しているようだ ニキビの原因が皮脂であるなら,よく洗顔しても防げないのはなぜだろう? 最近の研究がその疑問にひとつの答えを与えた。そしておそらく,新たな予防法も。 ニキビは小さな … 続きを読む

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恐竜の食物をたどって〜日経サイエンス2022年10月号より

食性による生息域の大小が多様性の違いを生んだ可能性 もし7500万年前の北米大陸を旅したら,行く先々で大きく異なる恐竜を目にしたことだろう。大陸の西半分で見つかったこの時代の恐竜化石は非常に多様で,古生物学者はその理由に … 続きを読む

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