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シカは南北方向へ逃げる〜日経サイエンス2016年12月号より
磁気感覚を備えているのだろうか? のんびり草を食べているシカが何かに驚くと,群れ全体が一斉に整然と走り出す。恐怖にかられパニック状態に陥っていてもおかしくない動物たちが,どうやって互いにぶつからず整然と逃走 … 続きを読む
GOES-R,アー,ゴー!〜日経サイエンス2016年12月号より
米国の次世代気象衛星は雷や猛烈な嵐を常時監視する 上空約3万6000kmに配置された3基の静止気象衛星なしには,米国の毎日の天気予報はいまほど正確にはいかなかっただろう。この11月,その予報がさらに向上する … 続きを読む
乳房にマイクロバイオーム〜日経サイエンス2016年12月号より
乳がんリスクを左右している可能性も 人体のマイクロバイオーム(人体で繁殖している細菌群)に関する研究が爆発的に増えているが,その主役は腸内細菌叢だ。だがApplied and Environmental M … 続きを読む
クローン動物短命説は誤りだった〜日経サイエンス2016年12月号より
初の厳密な検証が行われ,通常の動物と同じであることが判明した 20年前のクローン羊「ドリー」の誕生は,哺乳動物の成体細胞から抽出したDNAを未受精卵に注入することによってドナーとまったく同じ遺伝情報を持つ動 … 続きを読む
脳はいちいち音読しない〜日経サイエンス2016年11月号より
単語を視覚的にとらえた“辞書”が存在 子供が初めて読み方を覚えるときには,1文字ずつ苦労して声に出し(猫のcatならC-A-Tというように),それらを頭のなかでつなぎ合わせた結果を単語と意味に関連づけてい … 続きを読む
涙バンク構想が浮上〜日経サイエンス2016年11月号より
人はなぜ泣くのか? それを探るための研究インフラに 涙は身体から出る他の体液と比べて研究がまるで遅れている。涙を集めるのが大変だからだ。涙もろいドナーは少なく,男性はめったにドナーにならず,成分をきちんと分 … 続きを読む
自閉症者の優れた聴覚〜日経サイエンス2016年11月号より
音声が伝える感情を鋭くとらえている 「顔は心の指標」といわれるが,自閉症者は顔の表情から喜びや悲しみなどの感情を読み取れない場合がしばしばだ。多くの研究者はこれを,自閉症者に社会的情報の処理に関する重大な欠陥がある証拠 … 続きを読む
2億5000万年後の超大陸〜日経サイエンス2016年11月号より
数値シミュレーションで未来の大陸移動の様子が浮かび上がった 地球表層のプレートと,その下にあるマントルの動きをスーパーコンピューターで数値シミュレーションしたところ,北米大陸とユーラシア大陸などが合わさった … 続きを読む
地下の生命圏はどこまで?〜日経サイエンス2016年11月号より
「ちきゅう」が陸上研究施設と連携して室戸岬沖で掘削調査 地球の表層,とりわけ地球表面のかなりの割合を占める深海底下には微生物からなる広大な生命圏が存在するとされるが詳細は不明で,生命圏と無生物域の境界となる … 続きを読む
バイオフィルムを突破する酵素〜日経サイエンス2016年10月号より
細菌軍の城壁を作る糖を断ち切って攻撃の突破口を開く作戦 細菌は粘着性だ。私たちが定期的に歯科医院で歯から細菌を掻き落としてもらうのもこのため。歯垢は最もよく知られたバイオフィルムの例だが,同様の粘着性の細 … 続きを読む
遺伝子注入で絶滅回避〜日経サイエンス2016年10月号より
クロアシイタチの遺伝的多様性を高めるため失われた遺伝子を再導入する試み 1987年に18匹しか確認されていなかったクロアシイタチが,飼育下繁殖と集中管理のおかげで,現在では数百匹に増えた。しかし,そうした少 … 続きを読む
忘れる方法を覚えられる?〜日経サイエンス2016年10月号より
記憶中枢を制御している仕組みが少しずつ見えてきた コンロから落ちる熱い鍋をつかもうと反射的に手を伸ばしても,最後の瞬間には手を引っ込めてやけどをせずにすむだろう。脳の実行制御が介入して,自動的な命令系統を断 … 続きを読む
ブラックホール連星の起源に新説〜日経サイエンス2016年10月号より
重力波の源は宇宙誕生直後にできた原始ブラックホールかもしれない 昨年9月,史上初めて直接検出された重力波は約14億光年彼方でブラックホール連星が合体した際に放出されたものだが,こうしたブラックホール連星の起 … 続きを読む
ニュートリノに「CPの破れ」?〜日経サイエンス2016年10月号より
日本主導のT2K実験で突破口が得られた 宇宙誕生時,物質と反物質(粒子と反粒子)は等量生み出されたと考えられるが,現在の宇宙に物質(粒子)しか見られないのはなぜか? この謎を解く新たな手がかりが得られた。日 … 続きを読む
幼児の認知道具セット〜日経サイエンス2016年9月号より
一部は生来の本能的な能力らしい 青々と草木の茂るタンザニアのマハレ山塊の奥深くで,1頭のチンパンジーが小枝から葉を取り除き,地面に突っ込む。それをぐいっと引き抜くと,小枝にうまそうなシロアリがびっしりとく … 続きを読む