カテゴリ : 2007年6月号
自己抗体で病気を予測する
ある種の自己免疫疾患では,実際に症状が出る数年以上前から,血液中に自己抗体が現れることがわかってきた。こうした自己抗体の有無を調べることで,将来の発病に備えようという研究が進んでいる。この「予測自己抗体」の発見のきっか … 続きを読む
タンパク質の常識を覆す不定形の鎖
タンパク質といえば,それぞれ特有の立体構造をもち,特異的な機能を発揮するといわれてきた。アミノ酸がずらりと連なった鎖が複雑に折りたたまれ,コンパクトな立体構造をとるようになって初めて機能が発揮できる。ところが最近になっ … 続きを読む
ブラックホールからの大逆流
宇宙最大の構造「銀河団」。1000個の銀河が重力を介して群れ集まり,その規模は差し渡し1000万光年に及ぶ。銀河団には大きな謎があった。銀河団内部には,銀河どうしの間を埋めるように高温ガスが満ち,X線を放っている。だが … 続きを読む
いよいよ始動 がんゲノムアトラス計画
「がんをもっと理解したいなら,細胞のゲノムに研究の焦点をあてるべきだ」──20年以上前,ノーベル賞受賞者のダルベッコ(Renato Dulbecco)は,後にヒトゲノム計画と呼ばれた研究プロジェクトをいち早く呼びかけた … 続きを読む
暮らしをまるごとデジタル記録
人の記憶は本当に頼りないもので,だれしもその限界には悩まされる。友人の電話番号や担当者の名前をうっかり忘れたり,愛読書の題名を思い出せなかったりする。そこで,さまざまな戦略を用いて忘却と戦う。メモを書きつけた付箋を貼っ … 続きを読む
脳が生み出す色の錯覚
もし世界から色がなくなったら,何か大事な要素が欠けたように感じるだろう。まさに,その通りだ。色のおかげで私たちは世界を正確に見ることができるうえに,さまざまな質感まで見てとれる。 色の働きや本当の性質は,一般に正しく … 続きを読む
ディーゼル車をクリーンに
ドライバーはドアを開けて運転席にのぼり,トラックの天井に手を伸ばした。このトラックは最近のディーゼルエンジンを搭載した車だ。彼が背伸びをしながら排気管にハンカチを引っかけると,白い布はたちまち黒いススで汚れた。彼は「こ … 続きを読む
ダムを自然に戻すには
ダム撤廃によって,かつての生態系を回復できるようになってきた。だが,そこには生態学上のリスクも存在する。マイナスの影響を避ける方法は? 小さな堰(せき)を含め,世界には約80万基のダムがあるが,河川を元 … 続きを読む
"Mapping the Cancer Genome" / 「いよいよ始動 がんゲノムアトラス計画」より抜粋
"If we wish to learn more about cancer, we must now concentrate on the cellular genome." Nobel laureate Renato Dulbecco penned those words more than 20 years ago in one of the earliest public calls fo … 続きを読む
カテゴリ 2007年6月号, 英語で読む日経サイエンス
“こびとの国”から〜日経サイエンス2007年6月号より
3年前,インドネシアのフローレス島で人類の頭蓋骨が発見された。この人類は非常に小さく,「ホビット(こびと族)」の愛称がついた。その後,激論が続いている。発見者たちは背丈1mほどのこの人類は1万2000年前という比較的最近 … 続きを読む
カテゴリ 2007年6月号, SCOPE & ADVANCE
光を停止,再発進〜日経サイエンス2007年6月号より
1999年,ハーバード大学のハウ(Lene Hau)らは,1秒間に29万9792kmも進む光の速度を自転車でも達成可能なスピード(時速約60km)にまで落とした。その数年後には,光ビームを完全に停止させた。そして今年, … 続きを読む
カテゴリ 2007年6月号, SCOPE & ADVANCE
オンチップラボに心臓を〜日経サイエンス2007年6月号より
電池は不要,心筋細胞で駆動する微小ポンプを日本の研究チームが開発した ごくごく微量の液体を操る小さな機械がほしい──生体工学の研究者たちが熱望してやまないアイテムだ。そうした微小流体素子はすでにインクジェ … 続きを読む
カテゴリ 2007年6月号, SCOPE & ADVANCE
暗黒物質は暗くない?〜日経サイエンス2007年6月号より
光を放射も吸収もしない謎の物質だが,奇妙な光の発生源になっている可能性がある 宇宙の暗黒物質(ダークマター)は目には見えず,本質的に“真っ黒”なものだと考えられている。何かが星やガス雲に重力を及ぼして進路 … 続きを読む
カテゴリ 2007年6月号, SCOPE & ADVANCE
ラベンダーで胸ぷっくり〜日経サイエンス2007年6月号より
ラベンダーなどのアロマオイルのせいで,男児の胸がぷっくり膨らんでしまうらしい。 コロラド大学デンバー校の小児内分泌学者ブロック(Clifford Bloch)は4歳,7歳,10歳の健康な男児3人を「思春 … 続きを読む
カテゴリ 2007年6月号, SCOPE & ADVANCE
わが子に与える愛は生化学物質〜日経サイエンス2007年6月号より
母親の神経伝達物質が胎児に移って発達を助けている 母親はわが子にすべてを与える──やや月並みな格言だが,生物学者たちは最近,これを分子・細胞レベルで実証した。母親の胎内環境は胎児に栄養を供給し,喫煙や飲酒 … 続きを読む
カテゴリ 2007年6月号, SCOPE & ADVANCE