カテゴリ : 2008年9月号

南硫黄島探検記

 「南硫黄島(みなみいおうとう)調査から1年過ぎたが,そのときの写真や映像を見ると,今も気持ちが高まる。それは調査というよりもまさしく探検だった」と調査隊長で植物学者の加藤英寿(かとう・ひでとし)は振り返る。小笠原諸島に … 続きを読む

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「時間の矢」の宇宙論的起源

現在の宇宙の標準モデルでは,私たちの宇宙は粒子が狭い空間に一様に詰め込まれた状態から始まり,星や銀河でムラのある現在の姿を経て,やがてはほとんど何もない空っぽな空間になるとされている。なぜ宇宙の過去と未来はこんなにも大き … 続きを読む

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生物の形を決める遺伝子スイッチ

 長い間,動物どうしの形態上の差異はゲノムの違いを反映したものだと考えられてきた。だから,ゲノムを比較すれば,違いを生み出している遺伝子を突き止められると思っていた。ところが,マウスやラット,イヌ,ヒト,チンパンジーなど … 続きを読む

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生物の種とは何か

 「絶滅の危機に瀕した種」──ニュースでしばしば耳にする言葉だ。だが,ここでいう「種」とは何だろう? ある生物集団が種であるかどうかという最も基本的な点が,実は学界では必ずしも合意が得られていない。種の概念をめぐって何十 … 続きを読む

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今をとるか,未来をとるか 温暖化対策の倫理

 7月に開催された北海道洞爺湖サミット(先進国首脳会議)は,地球温暖化問題について「2050年までに二酸化炭素など温暖化ガスの排出を半減する」という長期目標で合意した。しかしこの目標には「経済的な負担が大きすぎる」と反対 … 続きを読む

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偽造を見破るデジタル画像鑑定

 われわれの歴史は偽造写真に満ちている。スターリンも毛沢東も,あるいはヒトラーやムッソリーニ,カストロ,ブレジネフも,写真を捏造した前科があるのだ。英雄然としたポーズをでっちあげた写真から,敵やビール瓶を消去する程度のも … 続きを読む

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未知未踏に光で挑む

 奥飛騨の神岡鉱山(岐阜県飛騨市神岡町)にある東京大学宇宙線研究所の素粒子実験施設カミオカンデで超新星ニュートリノをとらえたのを機に,日本はこの四半世紀,ニュートリノ研究で世界をリードするようになった。     … 続きを読む

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How Experts Uncover Doctored Images / 偽造を見破るデジタル画像鑑定

History is riddled with the remnants of photographic tampering. Stalin, Mao, Hitler, Mussolini, Castro and Brezhnev each had photographs manipulated―from creating more heroic-looking poses to erasin … 続きを読む

カテゴリ 2008年9月号, 英語で読む日経サイエンス

太陽をつかまえろ〜日経サイエンス2008年9月号より

日本が宇宙太陽光発電の研究に乗り出したエネルギー価格の高騰を受け,米国でも関心が再燃している    西暦2307年,化石燃料は枯渇したが,人類は新たなエネルギーとして大規模な宇宙太陽光発電システムを手に入れてい … 続きを読む

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日経サイエンス 2008年9月号

自然環境 南硫黄島探検記  中島林彦/協力:南硫黄島自然環境調査隊   宇宙論 「時間の矢」の宇宙論的起源  S. M. キャロル   エボデボ 生物の形を決める遺伝子スイッチ  S. B. キャロル … 続きを読む

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表面張力で食べる〜日経サイエンス2008年9月号より

 ヒレアシシギという鳥は長細いくちばしをしているので,水やおいしい甲殻類を吸い込むのは苦手だ。その代わり,表面張力という液体の引力を使って餌を吸い上げる。 この鳥は最初,小さい円を描くように水面を素早く泳ぎ回り,渦を作っ … 続きを読む

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神経変性は「脳の糖尿病」〜日経サイエンス2008年9月号より

インスリン異常がアルツハイマー病などに関連しているらしい      糖尿病患者や糖尿病について知っている人ならだれでも,インスリンの重要性を知っている。インスリンは細胞が糖や脂肪をエネルギー源として蓄 … 続きを読む

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がん細胞と白血球の融合〜日経サイエンス2008年9月号より

 がんが転移して全身に広がるのはなぜか。その秘密は腫瘍細胞と白血球の融合にあるのかもしれない。そうした融合体は白血球がもともと持っていた遊走力と,際限なく分裂を続けるがん細胞の性質を併せ持つだろう。この融合説が最初に提唱 … 続きを読む

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ブログは健康によい?〜日経サイエンス2008年9月号より

生理的な効果を探る研究が進み始めた    ブログを書く人が増えている理由は,それが一種の“自己療法”だからかもしれない。自分の経験や思考,気持ちについて著述するのが心身の健康維持に有効であることは,昔から科学者 … 続きを読む

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ポカを未然に防ぐ〜日経サイエンス2008年9月号より

 誰でも単純作業で思わぬミスをすることがある。しかし,集中力や脳活動の低下だけが間違いの原因ではない。実際,作業に関連する脳領域の活動パターンを利用して,誤った動作をその発生から最大で30秒前に予測できる。ミス発生を未然 … 続きを読む

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