カテゴリ : 2009年10月号

存在確率マイナス1 天才アハラノフの予言

 物理学者アハラノフの名は知らなくても,「アハラノフ・ボーム効果」という言葉は聞いたことがあるかもしれない。1980年代に外村彰が観測し,ノーベル賞級の成果として注目を集めた。50年前にこの効果を,量子力学の黎明期を築い … 続きを読む

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The Science of Bubbles and Bursts / バブル崩壊を心の科学で読み解く

It has all the makings of a classic B movie scene. A gunman puts a pistol to the victim’s forehead, and the screen fades to black before a loud bang is heard. A forensic specialist who traces the bu … 続きを読む

カテゴリ 2009年10月号, 英語で読む日経サイエンス

砂漠から甦った恐竜たち

 生物にとって最も過酷な地域は砂漠だ。植物はほとんど見られず,動物や昆虫は小さくて,猛暑の日中は砂の中に潜っているものが多い。だが,そんな砂漠も数千万年から1億数千万年の時を遡れば別世界だった。水辺があって植物が生い茂り … 続きを読む

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耐性菌と闘う新たな抗生物質

 危険な病原菌を撃退するため,さまざまな抗生物質が開発され使われてきた。だが,抗生物質の使用は感染症で苦しむ人を助けると同時に,やっかいな敵を作り出してきた。耐性菌だ。この耐性菌に効く抗生物質を新たに開発しても,新たな耐 … 続きを読む

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バブル崩壊を心の科学で読み解く

 ときに市場が過熱し,そして崩壊するのはなぜなのか。大恐慌以来最悪の経済危機をきっかけに,金融市場の機能と人々の意思決定に関する見直しが始まった。投資の意思決定においては,心理的気まぐれが往々にして合理的判断をしのぐ。こ … 続きを読む

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月に行った科学者が語る火星への道

 冷戦時代,米ソで始まった有人宇宙開発は日本や欧州,中国が加わるなど,すそ野が広がってきた。しかし,地球からの到達距離で考えれば,現状は40年前と比べて大きく後退したままだ。約40年前,アポロ計画の宇宙飛行士12人が月に … 続きを読む

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脳はなぜ左右で分業したのか

 言語中枢は左脳,情感は右脳というように,ヒトでは大脳半球が左右で分業体制をとっている。こうした分業はヒトだけの特徴だと長い間,思われてきた。その背景にあるのは,「人類は特殊な進化を遂げてきた」という思い込みだ。 &nb … 続きを読む

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草から作るガソリン

 自動車やジェット機を動かす石油代替燃料として,バイオ燃料が注目されている。バイオ燃料はどんな植物(あるいは植物だったもの)からでも製造できるが,現在は主にトウモロコシの実や大豆,サトウキビから作られている。植物は成長の … 続きを読む

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量子の”開かずの間”をのぞき見る

 奇妙な思考実験がある。2つの干渉計を準備し,それぞれに,電子と陽電子を入れる。両方とも波の性質を持つので,普通ならそれぞれが光と同じように干渉を起こす。だが今,2つの干渉計を途中で結合したらどうなるだろうか? &nbs … 続きを読む

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宇宙の未来が決める現在

 物理学の世界では知らぬ者のない物理学者ヤキール・アハラノフは,1988年,風変わりな提案をした。物質の量子力学的な状態を壊さずに,その状態を観測することができるというのだ。    量子力学によれば,物質は相反 … 続きを読む

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死者に微笑みを〜日経サイエンス2009年10月号より

 死刑囚を無理やり笑わせる毒薬が実在するようだ。ギリシャの詩人ホメロスは,サルジニア(イタリア半島の西沖にある島)で行われていたとされる儀式殺人にちなんで,「サルジニアの笑い」という言葉を造った(英語のsardonic … 続きを読む

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骨粗鬆症と糖尿病の意外な関係〜日経サイエンス2009年10月号より

密接な関連を示すデータが続出    骨がスカスカになって折れやすくなる──おそらくこれが骨粗鬆症の一般的なイメージだろう。だが,このイメージは「正しいが完璧ではない」と帝京大学ちば総合医療センター第3内科の岡崎 … 続きを読む

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子どもっぽさが賢さのもと?〜日経サイエンス2009年10月号より

脳の発達と進化に関する新しい見方が登場    人間の大人とチンパンジーの子どもには身体的に似た点がある。小さなあご,平たい顔面,薄い体毛などだ。幼体の特徴を保っていることを「幼形成熟(ネオテニー)」と呼び,特に … 続きを読む

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簡単に作れる“隠れ蓑”〜日経サイエンス2009年10月号より

特殊なメタマテリアルを使わずにすます新アイデア    近年,物体の周りで光を迂回させて,その物体を実質的に見えなくする“隠れ蓑”のアイデアが,光学研究者によっていろいろ考案されてきた。そのほとんどは,奇妙な光学 … 続きを読む

カテゴリ 2009年10月号, SCOPE & ADVANCE

論理と感性のバイリンガルに

 およそどんな製品も,科学技術とアートが交差するところに生まれる。だが,両者の間のコミュニケーションは難しい。アーティストが感性から紡ぎ出す言葉はとかく科学者にはつかみ所がないように感じられるし,科学者が語るロジックはア … 続きを読む

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