カテゴリ : 2023年7月号
ハーバリウムに生きる 100年後の牧野標本
植物学者,牧野富太郎(1862–1957)は生涯にわたって標本の収集を続けた。自身で行った採集だけでなく,牧野が設立に関わった各地の植物愛好会からも続々と標本が牧野の元へ寄せられた。東京・練馬にあった牧野の家は標本で溢れ … 続きを読む
赤ちゃんが愛情を抱くメカニズム
「赤ちゃんはパパ・ママが大好き」こんなフレーズを見たり,聞いたりしたことがある人は多いだろう。「大好き」と思う気持ち,すなわち愛情は,友達や恋人,夫婦など様々な社会関係をもたらすが,人が人生において最初に感じる愛情は,赤 … 続きを読む
愛情の神経生物学 なぜ浮気をしないのか
プレーリーハタネズミは米国中西部に生息する小型の齧歯(げっし)類で,パートナーと共に同じ巣にすみ続けるという,哺乳類には珍しい特質を持つ。交尾したペアは絆を築き,巣を共有し,共に子育てをする。実験室では,絆を築いた個体が … 続きを読む
特集:愛情の神経科学
哺乳類の多くは特定のパートナーを持たない乱交性だが,米国中西部にすむプレーリーハタネズミは特定の相手と一生をともに過ごす珍しい一夫一妻制だ。脳内のどの部位でどんな遺伝子が働くことによってこの絆が形成されるのか,最新の科 … 続きを読む
終末の南極氷河 スウェイツ
2019年12月26日,オレゴン州立大学の雪氷学者ペティット(Erin Pettit)はまぶしく輝く雪原の上で,大きなスーツケースほどの氷床探査レーダーを赤いプラスチックのそりに載せて運んでいた。ブーツの下で,堅くてもろ … 続きを読む

日経サイエンス 2023年7月号
植物学 特集:進化する植物愛 まだ見ぬ新種を追い求める植物分類学は,昔も今も植物愛に富んだ研究者が支えている。山野で植物を見分ける観察眼に最新のゲノム解析技術も取り入れて,さななる進化をとげている。 植物監修田中伸幸に聞 … 続きを読む
オープンオフィスに死角あり
1967年,化学メーカーのデュポンはオフィスビルのワンフロアの内壁を取り払い,低いパーティションで区切られただけの大部屋にほぼ全員を押し込んだ。このフロアは企業がオープンオフィスを大規模に取り入れた米国初の例であり,ドイ … 続きを読む