カテゴリ : 記事
夜の闇を守れ 生態系を惑わす都市の光
過剰あるいは不要な照明がもたらす公害である「光害」。ある研究によると,北米では人口の80%が,日本では人口の70%が,夜空が明るすぎて天の川を見ることができない地域に住んでいる。また別の研究よると,光に照らされた地表の面 … 続きを読む
「人に乗った馬」を描けないAI なんでもできそうなAIの現実
一般人の目には,人工知能(AI)の分野が長足の進歩を遂げているように見えるに違いない。一部の大げさな報道や発表資料によれば,オープンAIの「DALL-E2」はあらゆる文章をもとに目を奪うような画像を生成できるようだ。また … 続きを読む
子育て支援の神経科学
子ども時代の最初の数年間はチャンスに満ちている。子どもの脳が体験を最も柔軟に受け入れ,可塑性に富んでいるのが,この最初の重要な時期だ。脳の成長の85%は生まれてから3歳までの間に起こる。この時期には毎秒100万個の神経接 … 続きを読む
核融合点火施設 もうひとつの目的
米国立ローレンス・リバモア研究所の国立点火施設(NIF)はレーザー核融合の実験施設だ。先ごろ,照射量を上回るエネルギーを発生させ,大きく報じられた。だが,純粋な科学研究とは別の任務もある。米国が保有している核兵器の信頼性 … 続きを読む
次世代太陽電池の普及へ 技術基盤の整備に注力:村上 拓郎
日本で発明されたペロブスカイト太陽電池 課題の耐久性向上へ新材料開発に取り組む 専用設備を整え実用化へ研究を加速させる ペロブスカイト太陽電池は脱炭素社会実現のカギを握るキーテクノロジーだ。現在の太陽電池が抱えるコストや … 続きを読む
京都帝国大学花山天文台(中)
京都の町並みを一望する東山三十六峰の1つ,清水山(きよみずやま)のすぐ隣の花山山(かざんやま)に,京都大学の前身である京都帝国大学が昭和4年(1929年)に創設した花山天文台がある。当時の主要な建物と望遠鏡は現存し,研究 … 続きを読む
書き下ろし宇宙SF「にくづきにくら」
月面地下の溶岩洞に設置された国立大学共同利用機関法人・低重力研究所。通称,低重研。そこでは,地球の1/6しかない月の低重力環境を生かした,あるビジネスが試みられていた。移植用の再生臓器の培養である。ところがある晩,ひとり … 続きを読む
民間月着陸船「HAKUTO-R」打ち上げ成功
2022年12月11日16時38分(日本時間),日本発の宇宙ベンチャーispace(アイスペース)が進める月面探査プログラム「HAKUTO-R」の月着陸船が打ち上げられた。米スペースX社のファルコン9に搭載した着陸船は, … 続きを読む
有人月面探査 アルテミス計画始動
人類を再び月に送る国際共同の「アルテミス計画」が本格的に動き出した。米航空宇宙局(NASA)は去る11月16日(日本時間,以下同),大型ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」の初号機をケネディ宇宙センターから … 続きを読む
小惑星リュウグウから火星のフォボスへ
探査機で太陽系の天体に旅をして現地の砂や岩を持ち帰る「サンプルリターン」は,日本が世界をリードする宇宙探査手法だ。2010年に探査機「はやぶさ」が小惑星イトカワから微量の微粒子を持ち帰ってその可能性を示し,後継の「はやぶ … 続きを読む
見慣れた宇宙の新たな景色
ジェームズ・ウェッブ望遠鏡が明らかにしているのは,遠い宇宙だけではない。おなじみの天体について,これまで見えなかった詳細が浮かび上がっている。そのなかから,木星とファントム銀河の通称で知られるM74,海王星の驚きの姿を紹 … 続きを読む
真っ暗な領域に宝の山 ディープフィールド観測
去る7月,ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の天文学者チームはこれまでで最も遠くの宇宙をとらえた画像を公開し,世界の人々を深く感心させた。「SMACS 0723」という銀河団の46億年前の姿に加え,その背景に形と … 続きを読む
宇宙論を揺るがす黎明期の銀河
去る7月のある日の深夜,マサチューセッツ工科大学の天文学者ローハン・ナイドゥはジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の初期観測画像を自作のプログラムで調べていてあるものに目が留まった。プログラムが選び出した天体が,説明がつかない … 続きを読む