カテゴリ : 1999年7月号
隕石探索 南極大陸4000km
何日も続くブリザードに地吹雪,雪に埋もれた危険なクレバス,予期せぬ雪上車の故障……。天から落ちてきた岩のかけらと塵(ちり)を求め,私たち8人の探査隊はさまざまな困難と闘いながら白夜の大氷原を3カ月半,約4000km旅し … 続きを読む
遅れる日本の組織移植
脳死者からの臓器移植が注目を集める中で始まったが,疾患の治療という意味では,ヒトの組織や細胞の移植も非常に重要な役割を担っている。組織工学によって,ヒトの組織を再生できるのは理想だが,そこまでの水準まで達していない現在 … 続きを読む
ジェミニ望遠鏡の苦闘
日本の新鋭望遠鏡「すばる」の強力なライバルとなる米英など国際共同の大型望遠鏡「ジェミニ」が,ファーストライトを迎えた。動き出すまでには,鏡の設計方針をめぐる激論や財政難,現場技術者の苦闘があった。 ジェミニ望遠鏡の無 … 続きを読む
田んぼのカエルの危機
広島県の山間の盆地に広がる水田。一部の心ない人の“密猟”を防ぐために具体的な地名は出せないが,車の音すら聞こえない静かな農村がある。ここで,広島県ではすでに絶滅したと思われていたダルマガエルが発見されたのは1991年の … 続きを読む
チューリングの忘れられた研究
人工知能(AI)の先駆者で有名な英国の数学者アラン・チューリングは,1954年6月にわずか41歳でこの世を去った。しかし,この短い生涯の中で,彼は人間の脳に近いモデルに基づいたコンピューターや,生物成長の化学をシミュレー … 続きを読む
新しい医療を目指して
今回の特集が示しているように,組織工学は医学のなかでも勢いのある新しい分野として登場した。ほんの2,3年前まで人の臓器の代替といえば,臓器移植に頼るか,さもなければ,プラスチックと金属にコンピューターチップを加えた,ま … 続きを読む
臨床応用進むカプセル臓器
1994年のある日のこと。猛烈な脊椎痛に苦しむ男性患者に,まったく新しい治療が試みられた。この患者の脊椎腔に,小型のプラスチックチューブが挿入された。チューブは長さ5cm,厚さ0.5~1ミリ程度。中には痛みを抑える物質 … 続きを読む
バイオ人工器官の誕生
器官や臓器が正常に機能しないために,毎日,多くの人が病院で治療を受けている。移植可能な臓器が不足しているため,死に直面している人も多い。肝臓,腎臓,乳房などの胸部組織,小腸などの臓器は原理的には人工的につくり出せる。新 … 続きを読む
臓器づくりの決め手-胚性幹細胞
あなたの友人が,人里離れた場所でハイキングをしている時に心臓発作に襲われたとする。病院に運び込まれたときには心臓の2/3が損傷を受け,元の元気な体に戻るのは不可能のようだ。しかしこの友人はもともとチャレンジ精神が旺盛で … 続きを読む

日経サイエンス 1999年7月号
特集:組織工学 人体を再生する 臓器や組織を必要とする患者は多いが,提供者(ドナー)が少なく移植は思うように進まない。だが,新たな光明が見えてきた。細胞やタンパク質のはたらきをそのまま生かして … 続きを読む