カテゴリ : 2000年6月号
原色の花が誘う南米の森
ブラジルの大西洋岸はかつて深い森林に覆われていた。鬱蒼とした緑の広がりは140万km2に及び,その生物多様性はアマゾンに匹敵していた。このマタ・アトランティカ(大西洋岸の森)は,今日では小さな切れ端が残されているにすぎ … 続きを読む
ハリウッドが描く火星
マーズ・グローバルサーベイヤー,パスファインダーをはじめ,近年の火星探査計画から得た成果をもとに,ハリウッドでは火星を舞台にした映画が次々に制作されている。コンサルタントに迎えた科学者が感動するほど,リアルなセットを作 … 続きを読む
着陸までの飛行プラン
火星への有人探査の行き方を,打ち上げ,推進システム,ルート別にいろいろなアイデアを紹介する。 火星に行くのは大変だ。この惑星は地球から8000万kmより遠くにあり,往復に何年もかかるからだ。しかし,科学 … 続きを読む
生命探しのカギ握る有人計画
火星の有人計画最大の目的を検証する。それは「火星生命の探索」だ。 過去数世紀にわたり探検家は,経済的な動機から国威発揚まで様々な理由で,自らの命を危険にさらしてまで,未知の世界に挑んできた。コロンブス( … 続きを読む
ステップ1 安上がりな直行便
火星有人計画の有力な提唱者である著者は,10年以内に比較的安く火星に宇宙飛行士を送り込む計画を考えている。 アポロの月着陸以来ここ30年の大半を通じて,米国の宇宙開発計画は次に設定すべき目標や一貫した構 … 続きを読む
ステップ2 フォボス,ダイモスを中継地に
火星の衛星フォボスとダイモスは火星探査を準備するための理想的な基地になる。 最近ロボット衛星を使う宇宙科学者の多くは,私も含めて,有人飛行反対の立場からやや穏健な立場へと徐々に変わってきた。なぜなら,特 … 続きを読む
ステップ3 巡回軌道の宇宙船を使う
重力を利用した地球と火星の間の軌道を行き来する船は,人間と装置を往復させるコストを低減できる。 両惑星を行き来する居住船のコンセプトは1980年代にさかのぼる。当時サイエンス・アプリケーション・インター … 続きを読む
患者本位の臨床試験とは
1998年の春,米国の新聞やテレビは,“新しいガン治療薬”のアンジオスタジンとエンドスタチンを数週間にわたって大きく報道した。両物質が少数のマウスの腫瘍を著しく縮小したというニュースだった。これはいかにも早すぎた報道だ … 続きを読む
量子テレポーテーション
光の粒子(光子)がもっている情報を遠く離れた場所に瞬時に伝送できることが,実験で裏付けられた。この方法は「量子テレポーテーション」と呼ばれ,SF小説でおなじみの“瞬間移動”も単純な原子や分子なら夢ではない。この原理を超 … 続きを読む
転機迎える日本の臨床試験
日本での臨床試験は年々減り続けている。海外の有力製薬会社ばかりか,日本の製薬会社も新薬の臨床試験の主要な舞台を米国に移し,そこでの成果をもとに日本にその新薬を入れようとしているからだ。日本で臨床試験が行われなくなれば, … 続きを読む
生物時計を動かす遺伝子
あらゆる生物の体内では生物時計(体内時計)が24時間ごとの時を刻んでいる。この時計を動かすのは,複数の遺伝子とそれらがつくりだすタンパク質だ。生物時計の基本的な仕組みは,ショウジョウバエでもマウスでもヒトでも,共通して … 続きを読む

日経サイエンス 2000年6月号
生物時計を動かす遺伝子 M. W .ヤング ショウジョウバエから人間まで,あらゆる生物の体内には,日周リズムを支配する時計が備わっている。この時計の歯車として働くのは,脳の細胞で活性化される複数の遺伝子とタンパク質だ。 … 続きを読む