カテゴリ : 2002年12月号

瞬間から永遠まで

 無限小とも見える短時間から,気の遠くなるような長さまで,時間はさまざまな単位に区切って表現される。その広がりを年代記ふうに追ってみた。この表示画面では,時間の最小単位である「1アト秒」と私たちに身近な「1分」を以下に, … 続きを読む

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今こそ知の基盤確立を

 2002年のノーベル賞は物理学賞が小柴昌俊東京大学名誉教授に,化学賞が島津製作所の田中耕一氏に決まり,日本としては初の2人同時受賞となった。小柴氏はニュートリノ天文学という基礎科学分野の成果が,また田中氏は実用的な分析 … 続きを読む

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素粒子と宇宙解明の夢を後進につなぐ

小柴昌俊氏(こしば・まさとし) 1926年9月19日豊橋市生まれ。51年東京大学理学部物理学科卒業。55年に博士号取得。米ロチェスター大などを経て70年東大理学部教授,東大退官後,独ハンブルク大学などで教鞭をとる。97年 … 続きを読む

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時間とは何か

 200年以上も前に,フランクリン(Benjamin Franklin)は時間の経過を金銭と同一視する今や有名な格言(「時は金なり」)を生み出した。新たな千年紀(およびそれに先立つ数十年間)はこの言葉を実感させるものとな … 続きを読む

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究極の時計を求めて

 主な要素技術が発展するにつれて,時間を極めて正確に計測する技術も目覚ましく進歩した。例えば,アジレント社が6万3000ドルで販売しているセシウム原子ビーム時計は1カ月に100万分の1秒も狂わない。その正確さを周波数精度 … 続きを読む

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時間はどのようにして始まったのか

 私たちの住むこの世界には,始まりというものがあったのだろうか。もし始まりがあったのなら,その前はどうなっていたのだろう――。だれもが一度は抱いたことのある疑問だろう。    現在の標準的な宇宙理論「ビッグバン … 続きを読む

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時は流れない

 時が流れるということを疑う人はいないだろう。時間の経過はおそらく人間の認識の最も基本的な側面を表している。というのも,人間は過ぎゆく時間を自己の最も奥深い部分で感じており,それは例えば空間や質量についての体験よりも概し … 続きを読む

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根底に横たわるジレンマ

 多くの人にとって時間に関する最大の謎は,時間が十分にあるとは決して思えないことだ。物理学者もこれとよく似た問題を抱えているといったら,せめてもの慰めになるだろうか。    時間変数tを含む物理法則はいくつもあ … 続きを読む

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タイムマシンの作り方

 ウェルズ(H. G. Wells)がかの『タイムマシン』を執筆したのは1895年のこと。以来,タイムトラベルはSF小説の人気のテーマであり続けている。だが,本当にそんなことができるのか?タイムマシンをこしらえて,過去や … 続きを読む

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生物がもつ4つの時計

 昨年亡くなった生物心理学者のギボン(John Gibbon)は,時間を「原初から存在する前後関係」,つまり,あらゆる時代のすべての生物が感じてきた動かすことのできない事実とみなしていた。夜明けとともに花開くアサガオ,秋 … 続きを読む

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心の時間

 目覚まし時計で時間どおり目覚め,一日を時間どおりに過ごす――会議,他社への訪問,電話での打ち合わせ,昼食会などは,すべて決められた時間に始まる。他人の行動に自分の行動を合わせることができるのは,みんなの時間計測システム … 続きを読む

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ところ変われば・・・時間の社会学

 時間のとらえ方がそれぞれの文化や社会によって異なるのは言うまでもない。さらにやっかいなことに,その民族や集団がもつ神話や古い習慣が,現在の彼らの時間感覚に直結するとはかぎらない。目上の人との約束は時間厳守,という世界共 … 続きを読む

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時計年代記

 時を知ろうとする人類の試みは,いつの時代にあっても科学技術が発展する原動力となった。古代のエジプト人やギリシャ人,ローマ人は昼や夜の時間を区切るために,日時計や水時計といった時を測る器具を発明した。西欧世界はこの技術を … 続きを読む

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小さな発見にひそむ大きな重み

田中耕一氏 (たなか・こういち) 1959年8月3日富山市生まれ。83年東北大学工学部電気工学科卒業,島津製作所入社。中央研究所,計測事業本部,英国の関連会社への出向などを経て,2002年に分析計測事業部ライフサイエンス … 続きを読む

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日経サイエンス 2002年12月号

2002年ノーベル賞 小柴昌俊氏/田中耕一氏 同時受賞   今こそ知の基盤確立を  池内了(名古屋大学教授)   ノーベル物理学賞  小柴昌俊 東京大学名誉教授 素粒子と宇宙 解明の夢を後進につなぐ … 続きを読む

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