カテゴリ : 2003年6月号

自律せよ それが独創を生む

 中学生のころ,東京・神保町の書店街や秋葉原の電気街に通い,雑誌を読んでは部品を買い込んでいました。最初はだれかに教えてもらっても,そのうち自分で新しい世界を開拓する能力が必要です。その点,神保町や秋葉原のような“知識の … 続きを読む

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加速する実用化への研究

 病気やけがで損傷を受けた組織とその機能を取り戻す再生医療は,新たな技術領域として研究開発が急速に進んできた。高齢化社会に向けて,老化によって失われた機能の回復にも期待が寄せられている。潜在市場は世界で50兆円ともいわれ … 続きを読む

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細胞から臓器をつくる

 細胞から組織や臓器を作る組織工学という学問領域は,1980年代に米国のランガーとバカンティによって提唱された。第1世代の組織工学は皮膚や軟骨など比較的単純な組織を作り出すことに成功した。しかし,より複雑な構造と機能をも … 続きを読む

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血管を蘇らせる

 ES細胞(胚性幹細胞)の発見によって,1つの細胞からさまざまな臓器が作られる仕組みが探求できるようになり,再生医療への期待が高まっている。しかし,胎児から採取するES細胞には倫理的問題という壁がある上,免疫系の問題も克 … 続きを読む

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肝臓再生を目指して

 肝臓の高い再生能力は古くから知られてきた。この力は,単純な細胞分裂によるものと考えられていたが,肝臓の幹細胞が明らかになったことで,幹細胞の高い増殖・分化能が再生能を支えていることがわかってきた。 肝幹細胞から分化する … 続きを読む

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脊髄損傷治療への道

 私は当初,神経の発生過程において中枢神経系を構成する細胞の多様性がどのように形成されてくるかに興味をもち,その制御機構を研究していた。そのうち,研究対象を多様性のもととなる神経幹細胞に絞っていった。1998年に成人の脳 … 続きを読む

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網膜再生による視機能回復

 高齢化が進むとともに視覚障害で悩む人が増えている。このうち,角膜から瞳孔,硝子体という透明な光の通り道が濁る,白内障に代表される病気に対してはさまざまな治療法が工夫されている。しかし,入ってきた光を受け止めて,その信号 … 続きを読む

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パーキンソン病への応用

 パーキンソン病は,脳のなかでドーパミンを分泌するニューロンが死滅することによって生じる。手足がふるえる,体がこわばるといった症状の出るこの病気の治療の第一選択は,L-ドーパをはじめとする薬物療法だ。最近では脳の深部に電 … 続きを読む

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人の体はどこまで再生できるのか

 プラナリアという小さな生き物は体をいくつもの断片に切っても,それぞれの断片から完全な体をもったプラナリアが再生されることはよく知られている。イモリの場合は,足を切ってもその先端から再び足が出てくる。しかし,ほ乳類や鳥類 … 続きを読む

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自分で考える力を身につけろ

 徳島大学工学部に入学して1週間で,私は“登校拒否”に陥りました。物理学者になりたかったのですが,「物理では飯が食えないぞ」という高校の先生の勧めに素直に従って工学部へ進みました。しかし,教養科目は私にはつまらなかったか … 続きを読む

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一生懸命になれるものを見つけろ

 会社員か公務員になるつもりで,医学部に進んだのは「手に職」もよいかなという程度でした。だからというわけではありませんが,専門科目のない2年生までは勉強が面白くなく遊んでいました。専門科目は面白かったけれど講義に出たのは … 続きを読む

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形にしてこそ夢は実現する

 「人間ってよくできているなぁ」。「ロボット工学の父」と呼ばれる早稲田大学の加藤一郎研究室で研究していたころ,常にこう驚いていいました。そのとき義手の研究をする中で,人間の腕や手がどう動くのか調べるのが楽しくてしょうがな … 続きを読む

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原子炉解体 米国からの報告

 原子力発電所は長年の運転によって劣化するので,いずれは解体処分する必要がある。放射能を帯びた設備の処理は,建設当初には十分に考えられていなかった厄介な作業だ。一足先に米国で進む廃炉の実情をリポートする。 米国でこれまで … 続きを読む

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脳をあやつる虫

 私たちは少し謙虚になったほうがよさそうだ。ある種の微生物は動物の脳に寄生し,神経回路を巧妙に操っている。人間にはとても真似できないやり方で……。    細菌や原生動物,ウイルスは私たちの細胞を乗っ取り,私たち … 続きを読む

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デジタル技術で崩れる?ハリウッドの一人勝ち

 大衆文化はいまや米国の最大の輸出品目だ。国外の消費者に販売する音楽,本,映画,テレビ番組,コンピューターソフトは年間600億ドルにのぼる。これは違法コピーや海賊版などは含まない数字だ。欧州やカナダでも,テレビやCD,新 … 続きを読む

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