SCOPE & ADVANCE

社会性昆虫の社会的距離〜日経サイエンス2022年6月号より

ミツバチは感染個体に対して隔離と交流のバランスを取っている   致命的な病原体に対処するためにソーシャルディスタンスを取る動物は人間だけではない。最近のある研究は,ミツバチがミツバチヘギイタダニ(Varroa … 続きを読む

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圧力かけても流れない〜日経サイエンス2022年6月号より

ある種の流体が示す減速の理由   ケチャップのチューブを絞ると中身が飛び出すように,ほとんどの流体では圧力の増加が速度の急上昇につながる。しかし,ある種の流体は土壌や堆積岩など多孔質の素材を通って流れている場合 … 続きを読む

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温暖化でアホウドリが離婚〜日経サイエンス2022年6月号より

海水温上昇がアホウドリの“結婚”に冷や水を浴びせている   マユグロアホウドリよりも情愛の深い動物はそういない。マスカラのような黒い眉がついたこの大型の海鳥は一雌一雄制で,つがいは一生連れ添うことが多い。このロ … 続きを読む

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AIフェイクの攻防〜日経サイエンス2022年6月号より

ロシアのウクライナ侵略において,「ディープフェイク」技術の懸念が現実のものに   ロシアの侵略行為によってウクライナ国内に戦火が広がるなか,インターネット上の情報空間でも戦争に関連した様々なフェイク情報の拡散が … 続きを読む

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飢餓を生き延びるための変異〜日経サイエンス2022年5月号より

食物が乏しいときには小柄なほうが有利   100万年前,ある遺伝子に生じた小さな変異が当時の人類に大きな利点をもたらしたようだ。Science Advances誌に掲載された最近の研究は「成長ホルモン受容体遺伝 … 続きを読む

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自然の呼び声〜日経サイエンス2022年5月号より

ウシのトイレ訓練   排尿は簡単だが,それを我慢するのは難しい。オオカミなどの動物は縄張りを他と区別してマーキングするために膀胱を制御しているが,ウシはのんきに放牧地を歩き回りながら気ままに尿をまき散らしている … 続きを読む

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オキアミが見る極夜の光〜日経サイエンス2022年5月号より

太陽がずっと沈んだままでも1日の昼夜のリズムを感知している   北極は冬の間,太陽が地平線の下に隠れたままの日が何週間も続く「極夜」となる。だが最近のある研究は,北極海にすむ小さな甲殻類が,この長く続く暗闇のな … 続きを読む

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月の影領域を見る方法〜日経サイエンス2022年5月号より

人工知能で光を当てる   月の両極近くにある特定の領域は決して直射日光を受けることがなく,永久に影のままになっている。これらの「永久影領域」に大量の氷が蓄えられていることが近年の研究で示唆された。初期太陽系の詳 … 続きを読む

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サメ肌でスクラッチ〜日経サイエンス2022年5月号より

魚たちが自ら進んで体をこすりつけている   ウィリアムズ(Lacey Williams)が南アフリカ共和国のプレッテンバーグ・ベイで1頭のホホジロザメを水中ドローンで追跡していたところ,レアフィッシュ(アジの仲 … 続きを読む

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トラの縞模様が示す危機〜日経サイエンス2022年4月号より

一部集団で変異体が高率で出現,生殖隔離をうかがわせる   トラの縞模様は実際に変わりうる。インドのシミリパール・トラ保護区では,すでに多くのトラの縞模様が変わり,いわゆる「ブラックタイガー」となっている。これは … 続きを読む

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氷河のささやき〜日経サイエンス2022年4月号より

人間には聞こえない超低周波音で氷河崩壊を検出・監視   2017年,スイスアルプスのアイガーで氷河が崩壊し,小型飛行船ほどの大きさの氷の塊が崩れ落ちた。その際に生じたとどろきの一部は,周波数が低すぎて人間の耳に … 続きを読む

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シェフは3Dプリンター〜日経サイエンス2022年4月号より

造形と同時にレーザーで加熱調理   未来の高級レストランは複雑な調理技法と手の込んだ盛り付けの品を売りにすることになるかもしれない。しかも,それをボタンひとつで作り出す。コロンビア大学の機械工学者チームが,ミリ … 続きを読む

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人工胚をつくる最後の部品完成〜日経サイエンス2022年4月号より

生命の萌芽を作るのに不可欠な新たな幹細胞を作成 数種類の細胞を混ぜ合わせ,生命の萌芽である胚を形づくる──そんなSF的な未来図の実現に不可欠な細胞の最後の1つが完成した。マウスの受精卵が分裂してできた胚盤胞からつくった新 … 続きを読む

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モンゴルのお熱い甲虫〜日経サイエンス2022年4月号より

あるゴミムシダマシの交尾にはオーラル儀式が必須らしい   中国農業科学院の大学院生だったチン(Xinghu Qin)は内モンゴル自治区のフンサンダク砂漠近くの放牧地に行ったとき,開けた場所で恥じらいもなく交尾し … 続きを読む

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地下深くの岩清水〜日経サイエンス2022年3月号より

樹木の根は岩盤にまで侵入して水分を得ている場合が多い   樹木の根が軟らかな土壌の下まで伸び,硬い岩盤に入り込むことがある。そうした事例の報告は昔からあったが,極めてまれだったため,単なる例外と見なされていた。 … 続きを読む

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