カテゴリ : 2006年3月号
相対論を書き換える流体ブラックホール
ブラックホールが放つ「ホーキング放射」には深い謎がつきまとっている。その解決を目指す理論研究から,意外な可能性が浮上してきた。時空には超微細な“粒”の構造があるかもしれず,その場合には相対性理論に見直しが必要になる。 … 続きを読む
爆発物を嗅ぎつけるセンサー
2005年7月のロンドンでの地下鉄テロ以降,爆弾を事前に発見できるような技術を早急に整備すべきだと政治家は声高に主張するようになった。だが,多種多様な爆発物の存在を迅速かつ正確に,しかも離れた距離から発見し,人命と財産 … 続きを読む
核燃料完全リサイクルへの挑戦
一般の人々の間には,原子力の安全性に対する根強い懸念がある。しかし,大容量の発電を行う方法としては,原子力発電は最も環境負荷が少ないということは徐々に理解されるようになってきた。実際,ブラジル,中国,エジプト,フィンラ … 続きを読む
五感の遺伝子からみたヒトの進化
アリストテレスの提唱した「五感」は,古代ギリシャ哲学では「自然を把握する能力」を意味していた。例えば私たちは視覚を使って光を感知することで,自分を取り巻く環境からの情報を得ている。同じように嗅覚と味覚は化学物質を,触覚 … 続きを読む
サヴァン症候群 その驚異の能力を探る
「サヴァン症候群」は1887年にダウン(J. Langdon Down)が初めて名付け,紹介した疾病だ。彼はこの病気と驚異的な記憶力とのかかわりを指摘し,症例としてギボン(Edward Gibbon)の『ローマ帝国衰亡 … 続きを読む
自己の神経生物学 「私」は脳のどこにいるのか
「自己とは何か」という問いは,長い間,哲学の問題として扱われてきた。しかし最近,状況に変化が生じている。自己とは何かという疑問を,脳の活動を調べることによって解明しようとする神経科学者が増えている。その背景には脳の働き … 続きを読む
貧しい人はなぜ不健康なのか
19世紀,ドイツの神経科学者で医師,政治活動家でもあったウイルヒョウ(Rudolph Virchow)は,青年時代に2つの大事件に遭遇した。1847年の腸チフスの大流行と1848年の革命の失敗だ(ベルリンで起きた3月革 … 続きを読む
魚から四肢動物へ 見えてきた上陸前後の変化
生命が地球に誕生して以来,約40億年,進化は時として驚くべき変貌を生物にもたらした。最もめざましい変貌の1つが,水中にすむヒレを持った魚類から,指を備えた脚で大地を踏みしめる動物が生まれてきたことだろう。つまり,四肢動 … 続きを読む
"Getting a Leg Up on Land" / 「魚から四肢動物へ 見えてきた上陸前後の変化」より抜粋
In the almost four billion years since life on earth oozed into existence, evolution has generated some marvelous metamorphoses. One of the most spectacular is surely that which produced terrestrial c … 続きを読む
カテゴリ 2006年3月号, 英語で読む日経サイエンス
離陸間近の折りたたみ式飛行機〜日経サイエンス2006年3月号より
風船のように空気で翼を膨らませるどこにでも持ち運びが可能 155ミリ榴弾砲から砲弾に似たものが勢いよく飛び出し,低い衝撃音が山々にこだまする。ところが,1秒もたたないうちに砲弾は膨れ,翼幅1.8mの飛行機 … 続きを読む
カテゴリ 2006年3月号, SCOPE & ADVANCE
ブラックホールを見る〜日経サイエンス2006年3月号より
ブラックホールは光さえものみ込んでしまうので,望遠鏡でその内部をのぞき見ることはできない。しかし,「事象の地平」を見ることは可能になるかもしれない。事象地平はブラックホールから光が永久に出てこられなくなる … 続きを読む
カテゴリ 2006年3月号, SCOPE & ADVANCE
冷戦が残した年代決定法〜日経サイエンス2006年3月号より
核実験で放出された炭素が思わぬ効用を発揮 ストックホルムにあるノーベル医学研究所の神経科学者フリーセン(Jonas Frisén)は生身の人体の各部分について,その年齢を調べたいと考えた。脳組織の再生を目 … 続きを読む
カテゴリ 2006年3月号, SCOPE & ADVANCE
水面下のスピード違反〜日経サイエンス2006年3月号より
ビーズを水に混ぜると,音波が示すある種のスピードを光速以上にできる可能性がある。 1982年に行われた実験で,光パルスの群速度(個々の波ではなく,パルスの頂点の移動速度)が光速を超えうることが示された(情報を伝えていな … 続きを読む
カテゴリ 2006年3月号, SCOPE & ADVANCE
核外での遺伝子編集〜日経サイエンス2006年3月号より
遺伝子の情報が,細胞核とは別の場所で編集されている例が見つかった。 DNAに書き込まれている命令はRNAに転写され,細胞の他の部分へ送られる。遺伝情報が適切につなぎ合わされて,タンパク質生成の指令となっ … 続きを読む
カテゴリ 2006年3月号, SCOPE & ADVANCE
ブラックホールになれない巨大星〜日経サイエンス2006年3月号より
ブラックホールはこれまで予想されていたよりも形成しにくいもののようだ。 理論計算によると,質量が太陽の約25倍以上ある星は超新星爆発を起こした後にブラックホールになり,それよりも質量の小さい星は高密度で … 続きを読む
カテゴリ 2006年3月号, SCOPE & ADVANCE