日経サイエンス  2023年9月号

フロントランナー挑む:第139回

抗老化やがん化耐性の仕組みを探る:三浦恭子

永田好生(日本経済新聞)

老化のメカニズムに興味を抱き
長寿でがんにならない奇妙なネズミにたどり着く
遺伝子を手掛かりに「長寿動物学」を開拓

長寿でがんになりにくいモデル動物が研究者の注目を集めている。アフリカのケニアやエチオピア,ソマリアに生息する小型の齧歯(げっし)類,ハダカデバネズミだ。国内では唯一,熊本大学が研究用に飼育している。大学院生命科学研究部の教授,三浦恭子はこの風変わりな動物にほれ込み,老化やがん化に対する耐性がどのようなメカニズムで生まれているのか,解明に挑んでいる。 (文中敬称略)

続きは日経再サイエンス2023年9月号にて

三浦恭子(みうら・きょうこ)
熊本大学教授。1980年神戸市生まれ。2003年奈良女子大学卒業。2010年京都大学大学院医学研究科博士課程修了。慶應義塾大学,北海道大学を経て2017年熊本大学准教授。2023年から現職。ハダカデバネズミの抗老化やがんに対する耐性を研究中。2017年に文部科学省の「ナイスステップな研究者」に選出。2022年に熊本大学女性研究者賞を受賞。

サイト内の関連記事を読む