
約30万種といわれる植物の中には,光合成をやめて植物らしさを捨てた植物さえいるという。菌類から一方的に栄養を奪い,競争相手が少ない森の暗がりに進出することに成功した。こうした大胆な進化を実現するには多くの壁がある。葉を退化させるだけではなく,菌類をだます能力の獲得も不可欠だ。花を訪れる昆虫たちのにぎわいとは無縁の世界のため,花粉を運ぶには別の方法を考えなくてはならない。
なぜ植物はこれほどまでに多様なのか。したたかに生育域を広げてきた光合成やめた植物は,多様性が生まれる原動力を探るヒントになりそうだ。この不思議な生態に迫り,新種も相次ぎ発見している神戸大学の末次健司教授に聞いた。
続きは日経サイエンス2023年7月号にて
語り:末次健司(すえつぐ・けんじ)
神戸大学教授。専門は進化生態学。植物でありながら光合成をやめた菌従属栄養植物の生態などを研究する。「キリシマギンリョウソウ」など多くの新種も発見している。
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光合成をやめた植物/菌従属栄養植物/キリシマギンリョウソウ/コウベタヌキノショクダイ/アマミヤツシロラン/擬態/寄生