
現在は地球外生命の発見前夜なのかもしれない。火星ではロボットが太古の湖の底を探っており,軌道上では新鋭宇宙望遠鏡が地球に似た系外惑星の観測を始めようとしている。さらに,氷に閉ざされた海を持つとみられる木星の衛星を詳しく調べるため,欧州の探査機が近く地球を旅立つ予定だ。日本が深く関わるプロジェクトで,生命の徴候をつかめるかもしれない。探査機「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星リュウグウのサンプルによって,地球の生命の起源だけでなく,他の星が宿す海と生命の可能性にも迫ることができそうだ。もっとも異星の海が生命を育んでいるとしても,それは地球の生物とは似ても似つかぬ生命体かもしれない。想定外の生命の存在を念頭にした探査のあり方も研究されている。
木星の氷衛星を探る 探査計画スタート
中島林彦/協力:関根康人
エウロパとガニメデ 生命存在の有力地を訪ねる
J. オカラガン
異星の海 R. ボイル
木星アート SCIENTIFIC AMERICAN 編集部
リュウグウが運ぶ生命の材料 遠藤智之 協力:渡邊誠一郎
新しいエイリアン像 想像を超えた生命体 S. スコールズ