日経サイエンス  2023年4月号

特集:ゲノム編集治療

編集部

DNAの中から目的の配列を探し出し,効率よく改変するゲノム編集。研究や育種で広く使われているこの技術が,いよいよ医療の現場に入ってきた。体細胞の遺伝子を改変してその機能を変え,病気を治す試みだ。狙った塩基をピンポイントで書き換える新技術も登場し,海外の製薬会社やベンチャー企業が,遺伝性の重症貧血などに対する臨床試験を進めている。現在は体の細胞の遺伝子がターゲットだが,もし生殖細胞の遺伝子を修復することが可能になれば,将来にわたって遺伝性疾患を根治できる可能性がある。だがその実現には極めて高い技術的ハードルが存在し,iPS細胞を使った生殖補助医療が必要になることも浮かび上がってきた。ゲノム編集治療の最前線を,米国で取材した。


遺伝子を修復し病気を治す 米国で臨床試験始まる  詫摩雅子
受精卵の治療は実現するか  詫摩雅子

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