日経サイエンス  2023年2月号

特集:宇宙新時代

有人月面探査 アルテミス計画始動

【第2部】太陽系探査 新たな幕開け

小玉祥司(日本経済新聞)

人類を再び月に送る国際共同の「アルテミス計画」が本格的に動き出した。米航空宇宙局(NASA)は去る11月16日(日本時間,以下同),大型ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」の初号機をケネディ宇宙センターから打ち上げた。宇宙飛行士3人のダミーを乗せた宇宙船「オリオン」は月の上空約130kmまで最接近し,月を周回した後,地球に向かい,12月12日未明,メキシコ沖の太平洋上に着水した。

SLSにはキューブサットと呼ばれる超小型探査機10機も相乗りした。このうちの2機が日本の「EQUULEUS(エクレウス)」と「OMOTENASHI(オモテナシ)」だ。どちらも10cm角の立方体のユニットを6個組み合わせたタイプで,重量は20kgに満たない。探査機の選定時,NASAからは「エクレウスは手堅いミッションで,オモテナシはリスクはあるが面白いミッション。コントラストのついた2つを選んだ,と言われた」と宇宙政策委員会のメンバーである国立天文台の常田佐久台長は振り返る。

続きは日経サイエンス2023年2月号にて

著者

小玉祥司(こだま・しょうじ)

日本経済新聞編集委員。宇宙物理学や宇宙開発,地球物理学を主に取材している。

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