日経サイエンス  2023年2月号

フロントランナー挑む:第132回

次世代太陽電池の普及へ 技術基盤の整備に注力:村上 拓郎

青木慎一(日本経済新聞編集委員)

日本で発明されたペロブスカイト太陽電池
課題の耐久性向上へ新材料開発に取り組む
専用設備を整え実用化へ研究を加速させる

ペロブスカイト太陽電池は脱炭素社会実現のカギを握るキーテクノロジーだ。現在の太陽電池が抱えるコストや設置場所の制限といった問題を解決できる。開発した桐蔭横浜大学特任教授の宮坂力はノーベル賞の有力候補と目される。弟子で産業技術総合研究所・有機系太陽電池研究チーム長の村上拓郎は,ペロブスカイト太陽電池が注目されるきっかけを作った1人だ。「雑草派」の研究者は実用化に向けて精力的に取り組む。 (文中敬称略)


続きは日経サイエンス2023年2月号にて

再録:別冊日経サイエンス262『気候危機と戦う 人類を救うテクノロジー』

村上拓郎(むらかみ・たくろう)
産業技術総合研究所・有機系太陽電池研究チーム長。1977年神奈川県生まれ。2000年桐蔭横浜大学工学部卒業,2005年同大博士課程修了。スイス連邦工科大学ローザンヌ校博士研究員,桐蔭横浜大専任講師を経て,2011年産総研研究員,2021年から現職。SCIENTIFIC AMERICANが選んだ2005年のベスト50や電気化学会のHonda-Fujishima Prizeなどを受賞している。

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